低迷からの脱却へ。古豪復活への本気度を観に行こう。
韓国のハンファイーグルスが今年で球団創設30周年を迎えた。新監督には金星根(キム・ソングン)が就任。SKを3度の韓国一に導いた実績を買われ、3年連続最下位からの脱出を狙う。
その本気度は補強の面からも表れている。オフにFA選手を3人獲得した。すべて投手だ。4年連続優勝のサムソンからは2名。1人はペ・ヨンス。先発として2度最多勝や最優秀防御率に輝くなど実績豊富な投手だ。以前、ヤクルトに入団する予定だったが、体調面で断念したことがある。2人目はクォン・ヒョク。左のセットアッパーとして6年で50試合以上登板しているスタミナがある投手だ。2009年には21ホールドでタイトルも獲得した。3人目はKIAから移籍のソン・ウンボム。先発・抑えの両方ができる投手だ。
こうして投手を集中して補強したのは昨年の成績にある。チームは128試合を戦い 49勝77敗2引。チーム防御率は6.35と全球団の中で唯一6点台なのだ。韓国が打高投低とはいえ、これはひどい。ほかにも被安打1451、被本塁打162とすべて最下位だ。投手陣が崩壊しているのが明確だ。。試合をつくれるぺ・ヨンス。スタミナ左腕のクォン・ヒョク。この2人が中心となっていくだろう。ソン・ウンボムの起用法か明らかになっていないが基本は先発として投げて投手陣の核となるのではとみている。まずは先発陣の強化が優先だ。
野手陣も元DeNAのモーガンを獲得した。ハンファでは去年、32盗塁を記録したチョン・グンウ。KIAで盗塁王を獲得したこともあるイ・ヨンギュの快速コンビが在籍している。そこにモーガンが加わり足を使った野球が展開されることになる。昨年の全体の盗塁数は70。3人の活躍で3桁盗塁が達成できれば上位に食い込めるのではないか。
成績も気になるところだが、1番面白いのはユニフォームの変更だと思う。KBO史上初のホーム・ビジターそれぞれ2種類ずつ発表された。平日と週末の試合によって着るものを変えるという。平日ホームは白。週末ホームはオレンジ。遠征時の平日は淡いグレー、週末は濃いグレーといった具合だ。これは最近、日本でも週末ユニやサードユニといった形で各球団が使用しているのに似ている。試合ごとに変えるのでは洗濯も大変そうだ。ファンからすれば今日はどのユニフォームなのかとワクワクしながら球場に足を運ぶことができる。以前はロボットを観客にしてしまうという奇想天外な企画が存在した。「戦闘服」の変更でその必要もなくなる。
監督交代からFA補強、ユニフォームの変更。チームのすべてを一新して優勝を狙う今シーズン。金星根の采配、モーガンの活躍といった日本にも関係がある人物が在籍する。勢いに乗るオレンジ軍団を観に韓国を訪れてみてはいかがだろうか。30周年を盛り上げるのはそこのあなたかもしれない。