ついに和解か!? 台湾が進む新しい未来  台湾野球

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ここでも雪解けが始まる。目指すは世界一だ。

日本代表チームである「侍ジャパン」。プロだけではなく、12U/18U/21Uなど細かく年代別にチームを分けて国際試合に挑んでいる。1961年におこった※「柳川事件」で疎遠になっていた関係が修復されてきた証。国全体の野球レベルを向上するためにはプロとアマが一体となることが必要不可欠と言える。現在、日本が世界ランキング1位であるのはこうした取り組みが進んでいることも要因となっているのではないか。

台湾ではこれから和解が始まろうとしている。台湾の新聞記者の話ではプロとアマの関係が悪いという現状。状況を打開すべく、体育署(日本の将来的なスポーツ庁に相当する)が立ち上がった。台湾プロ野球連盟会長の呉志楊氏と体育署長の何卓飛氏の両氏による話し合いが行われた。

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(出典:Wikipedia http://fr.wikipedia.org/wiki/Fichier:Logo_CPBL.svg

内容としては「2017年WBCまでに関係を完全修復すること」を目標とするもの。

まずはお互いのパイプ役となる部署が必要。現在は「組訓協調合作平台」(以下、組訓小姐)という研修と議論の場を提供する部署を組織中だ。日本でいえば「指導者研修」に近いものと考えたほうが容易だろう。旧正月(2月18日から23日まで)後に完了する予定だ。

上記の部署ができるとなると、従来の「選訓與組訓」(以下、選訓)と2つ似たようなところが存在することになる。「選訓」とは日本でいう「日本野球連盟」のような組織だ。そのため、円滑に事を進めるために役割分担が必要になる。決定事項によれば「選訓」が代表選手の選出をし、「選訓小姐」がチームを組織することになっている。

体育署の何卓飛氏は今回の決定について次のように語った。

「この数年は野球という競技にとって重要な期間になる。国際大会で勝つために最強チームを作りたい。そのため、私の責任も今まで以上に大きなものになるだろう」と将来の台湾野球の発展をワクワクさせるような発言だ。

この話し合いをするのも「時間がない」ためだ。オリンピックへの野球競技復活がかかっているうえ、やプレミアム12やWBCとこの2年で大きな国際大会が開催される。また、今年に目を向けてみるとプレミアム12だけではなく、12Uとアジア選手権も台湾で行われる予定。台湾への重圧は相当なものになるだろう。大げさかもしれないが、今年の大会運営によって将来の野球が決まってしまうと言っても過言ではない。

つまりケンカをしている暇はないということだ。

「和解」という大きな第1歩を踏み出した台湾。この出来事をきっかけに今後の世界ランキングにも影響を及ぼすことになる。現在の台湾は4位だ。日本は「先輩」とはいえ、うかうかはしていられない。1位の座を守るためにもさらなる強化が必要だ。まずは前哨戦として11月のプレミアム12で直接対決。13年WBC以来の「死闘」を繰り広げてくれることを期待しよう。

※「柳川事件」とは
 日本プロ野球と社会人野球の間でおきた事件。当時は「夏の都市対抗が終了するまで選手と交渉はできない」という協定があったが、プロ野球がそれを無視した。4月、日本生命に所属していた柳川福三を中日が引き抜いた。怒った社会人側は社会人チームにプロ退団者を受け入れることはしなかった。このような状態が約30年ほど続いた。近年では元プロがアマ選手に指導ができるようになり、わだかまりが徐々になくなっている。

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