2月13日に参加した棒球英雄展。台北の国立科学教育館で3月1日まで開催中のイベントだ。そのレポートをしている。
今回は6・7つ目の展示物を紹介する。まずは6番目「ロッカールーム」だ。
ここでは実際に選手が使用するロッカーを再現している。ユニフォームをはじめ、ヘルメットやバットなども同時にに見ることができる。
もう少し近くで見てみるとこのようになっている。
北海道日本ハムファイターズに所属する陽岱鋼のロッカー。昨年の復刻やHOKKAIDOのユニフォームも飾られている。こうして見てみると日本の球団はユニフォームの種類が豊富なのだと改めて感じることができる。
下の椅子には何冊か本が並べられていた。
なぜか「ノムさん」こと野村克也の本がある。最近はテレビで見かけなくなったが現在の状態はどうなっているのだろうか。この本があるということは台湾でも知名度があるということを示している。
右にずれていくと郭泓志・王建民・陳金鋒のロッカーも並んでいる。
郭泓志のもの。ポジションは投手だがバットも置いてある。3番目の展示にあった「シアター」内でのインタビューで「打つことの方が好きだ」と答えていた。共に映像を見ていたファンからは笑い声が起こった。意外とおちゃめな面がある抑え投手なのだ。
王建民。ほかにもユニフォームはあるのだが、1番輝いていたヤンキース時代のものを選んだ。現在、田中将大が着ているものと同じもの。ピンストライブに歴史の重みが伝わってくる。日本でいえば巨人に相当する伝統ある球団。プレーするのにもプレッシャーが大きいだろう。
陳金鋒。背番号78というのはまるでコーチが着ける番号のようだ。台湾プロ野球ではあまり背番号にはこだわりがない。監督が1桁の背番号の場合や選手が70番台後半の番号を着けるのは日常茶飯事のこと。日本のようにエースナンバーが18番だったり、捕手の番号が27だという固定概念はない。ちなみに現在の陳金鋒の番号は52だ。※台湾のLamigoモンキーズに所属している。
奥に進んでいくと7番目の展示がある。「医療室」だ。
これは自身がこのイベントを知った時点から気になっていたもの。普段は選手の活躍や記録に注目することが多いが、あえて選手の苦しい時期のことも理解する。これは画期的なものだ。見どころはケガをした選手の当時の資料を包み隠さず公開していること。ケガは投手・野手共につきもの。このコーナーでは投手である王建民と郭泓志にスポットをあてている。
これはケガをしてから治るまでの過程を表したもの。選手がケガをした情報はよく「全治○○年」と書かれていることが多い。しかし私たちは「リハビリ」といってもどのように治っているのかを知るのは難しい。そのためこの解説はよいものだ。
逆に手術はどのように行っていくのか。難しい内容だが、これを知ることによって選手が逆境と闘う姿をより深く想像できる。復活にかける執念は相当なものだろう。
「この腕はいったい何なんだ!」と驚いた方もいるかもしれない。これは郭泓志の左腕の模型。こうしてみるとリアルで「腕は大切なもの」とひしひしと伝わる。
これは実際に郭泓志が治療で使用していた薬。普通であれば公開することはないとは思うがこれは貴重だ。
実際のレントゲン写真もあった。自身は医者ではないので解説はできないが、投げすぎるとこのようになると身をもって証明している。プレーする選手や子供には必見だ。
ロッカーや医療。野球でも切っても切れない深い関係であることがこの展示から感じることができる。実際にプレーしない人でも負荷のかけ過ぎはケガにつながることがわかる機会になるだろう。
もっと知りたい!という方はぜひ、台北まで行ってみてはいかがだろうか。3月1日まで開催のこのイベントはまだ時間がある。海外から日本のことを考えることができるチャンスでもあるのだ。