来季のクローザー候補 ソン・スンラク、移籍へのテストシーズンだ。
阪神が来季の抑え候補として韓国・ネクセンヒーローズに所属するソン・スンラク投手(34)をリストアップしている。
オ・スンファンは昨年39セーブを挙げてタイトルを獲得したが、今季オフで契約が切れる。後釜を早めに注目して囲い込む戦略だろう。
(参考:2014年 韓国シリーズ vsサムソン 満塁のピンチ)
昨シーズンの成績は62試合に登板し 3勝5敗32セーブ 防御率4.33。128試合の韓国で30セーブ越えは立派だが、どうも防御率が高い。映像で見る限り球種のほとんどがストレート。たまにカットボールがあるが、緩急がほとんどないのだ。
それでもチーム打率.301を誇るサムソン相手にストレート勝負を挑んだ姿勢はさすがだ。
13年には46セーブを挙げオ・スンファンを抑えてセーブ王になっている。韓国球界でクローザーの世代交代が行われたことを示しているのだ。
課題の緩急を身につけるため、ソン・スンラクは新たな挑戦をしている。チェンジアップの習得だ。本人は「日本の投手はフォークを投げる傾向があるが、メジャーの投手はチェンジアップが多いのではないか」と語っている。
肩やひじへの負担を考えてのことだろうが、あくまでも投球の幅を広げるため。この発言だけで日本よりもメジャー志向であるとの判断はまだ早い。
来季、日本に来るかどうかはまだわからないがまずは今シーズンでの韓国での投球が目玉になる。課題は緩急と防御率。試合数も144試合に増加するためほぼ日本と同じ形式のものとなる。
最低条件として防御率は2点台前半。40セーブ以上は絶対だ。これが海外移籍する最終テスト。結果によっては残留も考慮しなければならない。
阪神はソン・スンラクほか2人の韓国人投手にも目をつけている。SKのキム・グァンヒョン・KIAのヤン・ヒョンジュンだ。2人とも今オフのメジャー移籍を断念している。その中で迎えるシーズンへの意気込みは相当ももの。他球団のエースに負けない投球をしなければ海外への道は開かれない。
チェンジアップを習得し、映像のような投球ができれば移籍はほぼ確実。ピンチにも動じない強心臓、阪神は本気で欲しいのか。調査して終わりではなく、スカウト陣の行動も日々見られているのだ。毎年「○○を調査している」と選手獲得の話題で期待させてくれる阪神だが、なかなか実現しないのが現状。ここでオ・スンファンの後継ぎを獲得して腕をみせたいところだ。
オ・スンファンも退団濃厚と言われて黙ってはいられない。40セーブ以上であれば残留もありうるかもしれない。海を越えての韓国の新旧セーブ王対決。来季、日本にいるのはどちらなのか。2人の活躍に目が離せない。