KIAタイガース 全敗でも明るくシーズンへ 韓国プロ野球

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たとえ全敗でも本番はこれから。今秋には優勝の可能性も。

韓国・KIAタイガースが沖縄での春季キャンプを終えた。48日間の長いキャンプの中で行った試合は9を数える。日韓球団相手に挑んだがまさかの全敗という不名誉な記録を残し帰国の途についた。

全試合での総失点は103。これはすべての球団に目を向けてみても最下位だ。現役時代には「左の大砲」として活躍したキム・ギテ監督も頭を悩まさせているかのように思われる。しかし、日本ハムとの練習試合では大谷翔平の投球をみて「私もファンだ」と公言していた。まったく落ち込んでいる様子はないようだ。

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LGツインズ監督時代のキム・ギテ
(出典:亜州経済 http://japan.ajunews.com/view/20140424002646110

本来ならばソン・ドンヨル(元中日)が率いる予定だった今年のKIA。契約更新直後に辞任を表明したため、キム・ギテ監督が急きょ指揮を執ることになっていた。2005年に現役引退後、阪神や巨人でコーチ研修を受けた経験をもっている。あまり知られてはいないが、日本にも関わりがある新監督なのだ。

監督のポジティブさは選手にも伝わっている。「面白くなってきた」と語るのは2010年にソフトバンクに在籍したイ・ボムホだ。

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ソフトバンク在籍時のイ・ボムホ

(出典:ボクがボクであるために・・・ http://ameblo.jp/taka-jiji/entry-10473354637.html

「チームが9連敗しても選手が気持ちを切らさなかったし、チェンジのときも全力疾走だった」とまるで監督のように自身満々と話している姿があった。日本に来る前は6年連続で100本安打を記録していた。近年は全試合出場ができないこともあり、帰国して以降は1度して3桁安打を記録できていない。今季の目標として「ケガをしない」と宣言した。キャンプ期間中、最高のコンディションを維持できたようで、復活できる気力は充分だ。試合数も増えることで安打数も増加するに違いない。また、中心選手として若手への指導にも力をいれていくことを誓った。

この発言でキム・ギテ監督も安心感をもっているようだ。「練習試合はあくまで練習。色々な投手や野手を試してシーズンへのベストメンバーを組んでいく」とまったく試合結果を気にしていない。

監督とチームリーダー、2人の気楽さが吉と出るのか凶と出るのか。その答えを知るためにはシーズンの結果を観ることだ。まずは3月28日の開幕戦。相手は監督の古巣であるLGツインズ。もし、負けたらブーイングものだ。昨年8位だったチームは是が非でも開幕ダッシュに成功したいところ。KIAの新たな船出に注目してみてはいかがだろうか。

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