巨体の1発に魅力がある。
台湾では3月21日の前期シーズン開幕にむけて最終調整に入っている。その中で新たな大砲の活躍が期待されている。選手の名は許基宏(シュ・ジフォン)。中信兄弟に所属する23歳の内野手だ。一塁と三塁を守ることができる。体重103キロから放たれる打球は相手を圧倒する。まさに驚異だ。
(参考:許基宏のホームラン)
オープン戦において全球団選手最多の5本塁打を記録している。第2位はLamigoモンキーズの林智勝だが、彼以上に大きな注目を浴びている。その理由は昨年の成績にある。
昨年の9月に1軍初出場した許基宏。21試合で打率.290 4本塁打 14打点。全本塁打のうちの1本は場外だというから怪力ぶりには度肝を抜かれる。中信兄弟の謝長享(シェ・チャンティン)監督はその能力に驚きを隠せないようだ。「昨年はほとんど試合に出ていないのに4本塁打はすごい。出場機会が増えればより多く打てる潜在能力がある」と語っている。
シーズン開幕後は三塁のレギュラーに固定されることが決まっている。打順は5番か6番。元阪神の林威助の後を打つことになるのではないか。
「目標はシーズン50本」と豪語。しかし監督はツッコミをいれる。
「いや、ムリでしょ?(笑)今シーズンから初めてまともに試合出るんだし。でも、自己成長の意欲は持つことは大事だ」
これまでのシーズン最多本塁打といえば2007年に統一ライオンズに所属したティルソン・ブリトー(布雷)の33本。50本よりもこの記録超えに挑戦したほうがまだ気が楽な気がする。台湾プロ野球雑誌のサイトには昨年、韓国で52本塁打を放ったパク・ビョンホの写真と共に並んでいた許基宏。
「この2人を並べている意味がわかりますか?」という質問にファンたちはすぐに反応した。
「シーズン50本!」
「53号ホームラン!」
「台湾最多本塁打記録達成!!!」
見事に的は得ていた。本当に達成しそうな雰囲気があるのだろう。
ビックマウスの「新人」の開幕の相手は昨年の覇者、Lamigoモンキーズ。あいさつ代わりに大きな1発を打ってほしいものだ。3月21日、桃園国際野球場で激突だ。
台湾のホームラン時代がいまここに訪れようとしている。