韓国新独立球団 「漣川ミラクル」誕生

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高陽(コヤン)ワンダーズのようにならないか心配だが、問題解決に向け確実に動いている韓国。

韓国で第2の独立球団が誕生することになった。チーム名は「漣川(ヨンチョン)ミラクル」。日本の独立球団と同等なものでプロに入れなかった選手や早期退団した選手の受け皿としての役割を担う。

ホームタウンの漣川群は韓国の京畿道北部に位置する。有名な観光スポットはキムチ村だ。

韓国では日本のように独立リーグがない。つまり、高卒や大卒でプロに入れなかった選手の受け皿となるところがなかった。この問題を解決すべく3年前に高陽ワンダーズが誕生した。監督は現ハンファ監督のキム・ソングン、コーチは元中日のサムソン・リーとプロで活躍した人物で固められていた。日本からも安部理や沖秦司などを迎え入れるなど万全の期していた。実際のプロ入りした選手は26人。目的を達成し、次のシーズンへと盛り上がっていたが、プロとの経営の違いを理由で昨年、解散した。

新たなチームの挑戦。前の高陽と違う点は学校のスポーツ学部と提携すること。日本でいえば芦屋学園が兵庫ブルーサンダーズと提携を組んでいるものと似ている。芦屋学園高校野球部は甲子園を目指さないという異色ところだ。主に対戦相手は高校生や大学生だ。

高陽の二の舞にならないように対策は立ててある。トレーニング費はできるだけ抑え、プロへ行ける技術を身に付けた時点で奨学生としてランクが上がる。そこからは費用免除でチームに在籍することができるのだ。そして球場設備も最新。2014年6月に開場した連川ベースボールパークがホーム球場となる。3面のグラウンドとクラブハウスを持つ。まるでプロ球団のような設備。

初代監督には過去、LGツインズの監督を務めたキム・インシク(WBCの監督ではない)が就任。漣川地域の全面協力のもと、初めて臨むシーズン。まずはチーム結成式を経て、漣川群関係者が結成したチームと親善試合を行う。

球団誕生により韓国でプロを目指せる選手をより増やすことができる。これまで韓国人選手はは国内リーグを経由せずにメジャーを目指すケースが多かった。それは国内にプロ以外に受け皿となる球団が存在しなかったためだ。問題解決の第1歩となるだろう。

将来的に日本の独立リーグとも交流試合はできないものか。まだ決定ではないが、四国リーグでは台湾の社会人チームが加わるという話もある。日本・韓国・台湾。アジアを牽引する3カ国が集結すれば野球振興につながるのではないだろうか。プロが難しいならまずは独立球団から始めるべきだ。

世界の国との対戦機会を増やすことが野球振興を助長する。アジア内での盛り上がりを目指して漣川ミラクルの船出に注目してみたい。

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