路易士 長嶋推薦も活躍できず。台湾では・・・

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日本では珍外国人ながらも台湾では英雄の存在。

近年、高校生や注目する外国人選手を「○○二世」だとか「○○のイチロー・ダルビッシュ」と呼ばれることがある。例えばイチローならば打率が高く、足が速い。ダルビッシュなら長身で150キロ近い球を投げるなど共通点を見つけ出す。ましてや出身校が同じというだけで二世と呼ぶのだから乱用だ。

1996年オフに「台湾のイチロー」と呼ばれ巨人に入団した選手を覚えているだろうか。名前はルイス・サントス。当時の長嶋茂雄監督が推薦した入団テストに合格した。「台湾でゴールデングラブを獲っているんです。私が言うんだから間違いありません」と自信満々で語っていたが、結果はボロボロであった。

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巨人時代のルイス・サントス

(出典:HARAIZM BLOG 3rd Season http://ameblo.jp/haraizm/entry-11307583785.html

シーズン途中で戦力外になると翌年は再度、台湾に戻った。日本でも不振がウソのように打ちまくり首位打者・打点王・ゴールデングラブを獲得。引退するまでに韓国やメキシコなど計5か国のリーグを経験した。彼が1番輝いていたのは台湾時代だったといえるだろう。

現役時代に在籍した中信兄弟エレファンツが「レジェンドデー」を開催し、サントスは19年ぶりにファンの前に姿を見せた。ホーム球場である台中インターコンチイネンダル球場を訪れて当時とは全然違う設備に驚いている様子。

「私がいた頃より球場の設備がかなりよくなった。更衣室も大きくなったし、今は休憩室もある」。在籍した3年間(94年~96年)は兄弟の黄金時代。前連盟の中華職業棒球連盟時代には3連覇を達成した時期もあった。(この記録は統一ライオンズと2球団のみ)

サントスの台湾での友人である呉復連は「ミスター・ベースボール」と称えている。ファンの中には「ルイスの存在が兄弟の歴史を変えた。彼がいたから今のチームがある」と語る人物もいる。

日本のファンからすればここまで称えられるのには疑問を感じてしまうが、台湾のスターであることは変わりない。外国人選手への対応が厳しい球界においてめずらしいことだと言える。

助っ人はどこで活躍するかわからない。獲得することはギャンブルそのものだ。サントスのように世界のリーグでプレーすると必ずどこかでダメになるところがある。それが残念だが日本だったということだ。

日本では記憶に残らなくとも、ほかの国では英雄。このギャップに驚きを隠せない。

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