5月20日、11月に開催予定のプレミア12の組み合わせが決定した。日本の開幕戦は韓国と闘う。
これまでプレミア12に出場する国のうち唯一、韓国だけがチームの体制を明らかにしていなかった。果たして、韓国代表の現状はどうなっているのだろうか。
日本は侍ジャパンという代表専門の組織があるのに対し、韓国にはそれがない。国際大会ごとに監督選びから首脳陣、選手選出をしなければならない。現地の規則によると「国家代表監督は現役監督および、前年の国内リーグ優勝チームから選ぶ」と記載されている。つまり、このガイドラインに則るとすればサムソン・ライオンズのリュ・ジュンイル監督になる。
リュ・ジュンイルは過去3回のWBCで監督・コーチで参加しており、昨年の仁川アジア大会でも監督を務めた経験がある。国際大会を戦うという意味では適任かもしれない。だが、サムソン球団は難色を示している。現在、国内2位のサムソンが逆転で韓国一になろうものなら準備不足が露呈してしまう(例年の韓国シリーズは10月中旬から下旬)。
今回の組み合わせの発表で、選手はオールプロのメンバーで挑むことになった。ここで気になるのは出場選手。まだ決定事項ではないが、プレミア12の同時期にMLBと韓米オールスター戦を行う噂がある。当初の予定ではオールスターに代表級クラスの選手を、プレミア12では若手選手を招集するはずだった。ここにきて方針を変えたのだ。日本、そしてA組の台湾もトップチームで臨むことから便乗した形だろう。プレミア12の選手選定は9月10日に1次として45人を選び、10月10日に28人の最終メンバーが決まることになっている。
まだ問題がある。「選手のモチベーション」だ。これまで国際大会で金メダルもしくは、上位になると選手は兵役免除の恩恵があったが、13年WBC1次ラウンドで敗退したためなくなってしまったのだ。仁川アジア大会でも恩恵はなし。賞金以外でどうやって選手の気持ちを維持させるかがカギになってくる。
今年は9月のアジア選手権、11月のプレミア12。そして17年のWBC。オリンピック復帰のため韓国でも準備に大忙し。3月に発売された韓国プロ野球の雑誌には「2020年までに韓国はアジア野球のリーダーになる」という宣言が記載されていた。現実にするにはまだまだ長い道のりになりそうだ。