臨時打撃コーチが台湾球界のレベルを分析。
台湾代表のコーチを務めるトミー・クルーズ。1980年から85年まで日本ハムに在籍した選手でもある。打率3割を4度達成し、三振が非常に少ない打者だった。当時の監督だった「親分」こと、大沢啓二のお気に入りだったという話がある。64歳となった今でも元気に選手を指導している。昨年の21Uワールドカップから今回のユニバーシアード、18U代表と続けてコーチを務める予定だ。
日本ハム時代のクルーズ
(出典:Naoto‘s Gallery http://ameblo.jp/naoto718/entry-11929002455.html)
時間がある際には台湾プロ野球の球団練習を訪問。中信兄弟エレファンツ監督の楊培宏から依頼があり、選手を指導した。その中で絶賛したのはチームリーダーであり、台湾のスターの1人。「恰恰」こと、彭政閔。臨時指導したのは1日だけだったが光るものを感じたようだ。
「彭政閔は完全無欠の打者。エレファンツは若い選手が多いので見習ってほしい。」
21Uでの指導をしてクルーズは台湾人選手に対してある問題を感じている。「選手に足りないものは自分を信じる力、自信のなさ」だそうだ。彭政閔は13年連続打率3割という実績があるが、成績に固執することがない。試合中は打てると自身を鼓舞し、打席でも集中力が高い。クルーズはそのように分析している。
彼は冗談交じりに球界のレベルについても語った。「台湾人打者は2Aからメジャーで活躍できるレベル。だが、レベルがまちまち。だが、アメリカや日本で生き残れる選手はそう多くない。」
クルーズ自身も日本でプレーした経験からなのか説得力を感じる。6月4日には楊培宏監督と選手指導について討論したようだが、結論は出なかった。
21Uの決勝で日本に完勝して優勝した台湾。その裏には日本の野球を知るコーチの存在があったのだ。アメリカ・台湾も含め、3ヶ国の選手のプレーの違いを熟知している。これは脅威だ。今後のユニバーシアードや18Uでも強敵になることは間違いない。
日本投手陣vs台湾打線。クルーズが指導した選手が勝つのか、世界からも安定感があると称えられている日本人投手が勝つのか見ものだ。
侍ジャパンのメンバーは対戦国の選手だけではなく、コーチ陣の存在にも目を向けて対策を立てることをおススメする。