決断できない韓国球界。MERSの危機は目の前まで迫っている

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韓国球界、動く。だが、何も先に進まない。

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韓国で流行中のMERS
※現地では「メルス」と呼ばれている

(出典:ハムスター速報 http://hamusoku.com/archives/8843839.html

流行しているMERSの影響で数日の試合中止が噂される韓国プロ野球。6月8日に選手会が緊急会議を開いたが、決められたのは簡単や予防方法や警報レベルの基準を設定したのみ。具体的な対策案は出てこなかった。

新たな死者が出たり、学校閉鎖が続く中でも試合は普段通りに続いている。今年から144試合に増加した試合数のこともあり、消化に躍起になっているように感じる。KBOも6月9日に会議を開く予定だが、この場でも中止という判断をすることはなさそうだ。

数日の観客の様子を見てもマスクをしている姿が多い。野球の試合が見たいという欲求と予防しなければという気持ちがぶつかり合っている。球場は多くの人が集まる場所。ファン同士が交流できる場だが、MERSに感染する可能性はなきにしろあらず。きっかけは病院内でも感染から始まったが、今後はどのように拡大するかわからない。常に不安と隣合わせの観戦をしていることになる。

試合の観戦者もこの数日で徐々に減っている。LGツインズとトゥサン・ベアーズの本拠地、チャムシル球場の日曜日の平均観客数は1万9037人だった。しかし、先日の日曜日は44%減の1万619人だった。リーグ全体では30%減の数だったようだ。MERSの影響がじわじわと及んでいることがわかる。

中断とするとリーグ戦が長引く。4月中に雨天中止になったのが18試合もある。まだ代替え日も決まっていないため、MERSが落ち着くまで待つとなるといつになるか不透明な状態。再開する基準もKBOの会議で決められるといいが期待はできない。11月まで延びた場合はプレミア12への出場をあきらめなければならない。

選手やファンがあってのプロ野球。試合の消化を焦ることより、まずは安全を最優先に考えるべきだ。ずっと中断だと運営に困るため、試合の代替え案も出すべきだろう。課題は山積みだが、1日でも早い最善の対策をKBOは求められている。

運営と選手・ファン、どちらを優先するのか韓国プロ野球34年目にして、最大の岐路に立たされているのだ。

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