国が一体となってプロ野球の未来を考える。
6月15日に台湾で『台湾プロ野球発展座談会(シンポジウム)』が開催された。タイトルの通り、今後の施策や問題点の提示、その解決法を探っていくものだ。出席者は会長の呉志揚氏のほか、行政関係者、球団を支援している企業、団体、各新聞社の代表など。この模様はCPBL TVでも生中継された。
(出典:心棒球倶樂部 公式Facebookページ https://www.facebook.com/#!/heartbaseball?fref=ts)
自身は最初の20分間しか見ることができなかった。始まってすぐ、これまでの台湾プロ野球の歴史を辿る映像が流された。球団の誕生から増減、連盟分裂、八百長事件、WBCでの人気復活とわずか10分のもの。光と影、どちらも経験した波乱万丈の26年間。
呉志揚会長は今後、見本にするべきは日本だと発言した。
「先日、日本プロ野球を訪問したとき(3月の欧州選抜戦だと思われる)に国に野球というスポーツが身近にあることを感じた。球場や土地、ファンとの距離、見習うべき点が多かった。今年のスローガンはBaseball is Life。いかにして野球を生活の一部にするか、私たちはより努力をしなければならない」
重点的に話し合われたのは新球団と今後の未来について。
台湾では新球団が2つできるという話がある。特に2017年にプロ野球進出を目指している崇越科技は以前、日本の四国アイランドリーグPlusに参戦すると話題になった。今年11月に2試合、交流試合を行うと発表。問題なのは球場。台北市をホームにすることを表明しているが、市との話し合いがうまく進んでいないようだ。それでも球団設立に向けて動いていることは確かだ。
中信兄弟エレファンツ監督の楊培宏は今後のアジア野球の未来について構想を述べた。
「過去台湾では3度、野球で国全体が盛り上がったことがある。1つ目は1992年のオリンピックで銀メダルを獲ったこと。2つ目は2001年のワールドカップで陳金鋒と張誌家の活躍。3つ目は2013年のWBCでベスト8進出。そして、マニー・ラミレスの入団だ」
「メジャーリーグにカナダの球団(ブルージェイズ)が加盟したようにアジアの国々だけのリーグを設立することも不可能ではないと思っている。20球団で構成されているのが理想。まずは他国の球団と交流をかねて3試合行うことが大切だ」
交流試合というのは昨年、千葉ロッテがLamigoモンキースと行ったものと同様。よりアジアの国々と協力していくことが決定された。
座談会の最後に呉志揚会長は今回、話し合ったことを資料にまとめ、公開することを発表。後日、開催される国際大会、アジア選手権やプレミア12についても述べた。
「日本や韓国を訪問して、共にアジア野球を発展させていこうという決意がある。国際試合も多くなることから我が、台湾の責任は大きくなるだろう。明日、16日にプレミア12の監督人選の会議を行う。早めに決定するつもりだ」
会長自ら、野球への情熱をみせて座談会は終了した。自身がみる限り、台湾が1番、他国との繋がりや協力を正式に表明しているように思える。日本の熊崎コミッショナーも先日、呉志揚会長を訪問したが、協力すると言っているだけでなにも目に見えるものはないのが現状。
積極的に他国に行くことが野球の国際化を目指すうえでの第1歩なのではないだろうか。
今回のようなシンポジウムはぜひ、NPBでも行ってほしい。