日本以外で人気の投手だった。
昨年、巨人に所属したクリス・セドンが移籍することになった。現在は台湾のLamigoモンキースにに在籍しているが、韓国球界復帰が決まったのだ。チームは来日する前にいたSKワイバーンズで、15万ドルで契約に合意した。
(参考:統一ライオンズ戦で投球するセドン)
ここまでの成績は10試合に登板し、4勝1敗 防御率3.56。7月8日に台湾で最後の登板を果たし、2回4失点で勝負はつかず。前期優勝を果たしたチームにとって救世主的な活躍だった。ちょうど加入したときは苦しい時期だったため、監督の洪一中も次のように賞賛している。
「セドンは前期のチーム完封王。とてもよい働きをしてくれた」
今回の移籍は珍しいケースだ。Lamigoが戦力外通告をしたわけではなく、SK側が主導で進められた交渉なのだ。SKは7月1日に行われたKTウィズ戦で先発したトラビス・バンワートが右手を負傷したことによって即戦力投手の補強が急務になっていた。
2013年は14勝で最多勝を獲得し、奪三振160でリーグ2位の成績を残し、球団は残留を要請していた。しかし、セドンはそれを断って巨人に入団した経緯がある。日本では初登板こそ15奪三振で衝撃のデビューを飾ったが、その後はパッとせず2軍暮らしが続いた。
今回、SKが獲得に踏み切った理由として直球の球速が回復したことにある。台湾に行ってからは最速145キロ。平均でも139キロ~142キロだ。これは2013年当時と同じスピードだそうで、2年前の活躍も相まって球団は決断したようだ。
韓国球界復帰が決まったセドンはコメントを残している。
「これまで韓国だけではなく、アメリカ、日本、台湾と4ヶ国で投げてきた。経験をもとにSKの通算4度目の優勝のために力になりたい」
国は違えど、楽天のレイのように出戻りで活躍している外国人投手の例もある。日本ではあまり成績を残せなかったが、韓国では当時の輝きを取り戻せるかもしれない。
早ければ7月14日~16日のNCダイノス3連戦で登板する予定だ。
巨人では「ノーモアセドン」と言われていたが、韓国・台湾では人気の選手なのだ。残りの試合の結果によっては日本球界復帰もあり得るかもしれない。