高校野球はまだまだ終わらない。
U-18W杯が終了したが、各地では秋季大会が絶賛開催中といったところだろう。全国的な大会はちょっと一休み。春のセンバツ出場をかけて熱戦が繰り広げられる。
一方で海の向こうの台湾ではこれから真の戦いが始まろうとしていた。
大会の名前は『台湾甲子園』だ。
ここで「ん?」となった人もいるだろう。ウソでもなんでもない。
台湾と甲子園といえば、話題となった映画「KANO」で嘉義農林の選手たちの活躍が記憶に新しい。元松山商業の監督、近藤兵太郎の指導でメキメキと力をつけたメンバーが甲子園の決勝まで勝ち進んだ。
優勝はならなかったが、春夏あわせて5度も聖地の土を踏んでいる。戦前から深いかかわりがあった国でも現在、高校野球はさかんなのだ。
2013年から今年で3回目となるこの大会は台湾棒球協会主催で「黒豹旗」という名前だった。知名度と球児たちの目標を高めるために別名をつけることになったのだ。
9月1日から1週間、参加校を募った結果、過去最高の163校が名を連ねた。2年前はわずかに51、昨年は137と徐々に数が増えてはいたが、協会としてはわずかの期間でどれほど集まるか心配されていた。募集開始わずか3日で130校を越える応募があったため、主催側としてはお祭り騒ぎだっただろう。
台湾全国を5つの地域に分け、そこから応募してきた高校が激突する。地域ごとで見ると1番数が多かった台北市から21校、2番目の新北市と高雄市が19校、4番目の桃園市が17校だ。
大会関係者によると、将来的な目標は「参加校200」としている。史上最大規模の熱戦が繰り広げられる本大会は10月3日から始まる。
U-18でスーパーラウンド進出できなかった悔しさをここで晴らすチャンスだ。
球児たちのもう1つの夏(秋)が今、始まろうとしている。