早くも訪れた「復帰」。
先日、プロ野球復帰を果たしたLamigoモンキースの陽耀勳が昨日(9月18日)、行われた義大ライノス戦で投手として登板を果たした。
写真:Lamigoモンキースに所属する陽耀勳
(出典:FOX體育台 公式Facebookページhttps://www.facebook.com/foxsportstaiwan?fref=ts )
8回表の時点で16-4と敗戦濃厚。なお、相手の義大は高國輝の32号本塁打などで失点を重ねていた。1アウトから流れを変えるべく、洪一中監督が投手交代を告げた。登場したのは、背番号23を着けた男だった。
名前が球場内にコールされると台湾一の応援との呼び声が高いチームの応援団は湧いた。
「陽耀勳、頑張れ!!!」
「慎重に投げれば問題ないぞ!」
ファンはこの時を待っていたのだ。6月に行われたドラフト会議では指名確実と言われながらまさかの指名なし。また、義大の身体検査を通過できず、復帰の道を閉ざされた。MLB挑戦失敗や社会人リーグでの自滅など幾多の困難を経験した姿を知っている。その分、投手としての復帰は観ている側としても感慨深いものがあるだろう。
最初の打者の林全男に対し、2-1のカウントで投げた4球目、ライト方向に流し打ちされ二塁打を浴びてしまう。次打者にはワイルドピッチを含む、四球を出す。いきなりのピンチだ。
3人目は、日本と関係がある選手だった。高知ファイティングドッグズに所属していた林哲瑄だ。ドラフト会議では義大から1位指名を受けて入団した。ここまで20試合に出場し、78打数19安打 8打点 打率.224の成績を残している(9月19日現在)。
1-2からの5球目、内角を狙った球がすっぽ抜けて林哲瑄の左足に直撃。138キロのスライダーだったようだ。死球を受けそのまま交代となった。後の検査では左足○骨折が判明し、11月に開催されるプレミア12への出場が厳しくなってしまった。
4人目に対しては死球を与えた影響か全くストライクが入らず、押し出しとなった。失点したところで無念の降板。打者4人で1アウトも取れず、散々な結果を残してしまった。この日は148キロは出ていたものの、制球難は改善されず。
試合後、陽耀勳は次のように語っている。
『ファンからの声援はとてもありがたかったし、安心した。しかし、投球は残念な内容だった。久々に投げたが投球感覚は自身の中でしっかりと残っていた。プロ野球に復帰してからは投球練習をしていなかったので、練習してまた登板できるようにしたい。』
以前、郭源治(元中日)がイップスを指摘したことがあったが、本人はこれを否定している。実際のところ、ストライクが入らなかったわけではない。昨年の社会人リーグで投げていた頃よりは少しは安定してきたのではないのだろうか。
現在は球団と二刀流契約をかわしている。今回の登板だけで見切るのはまだ早いと思う。今季、あと5試合ほど登板して来季以降はどちらに専念するべきか決めるべきだ。
誰もが大谷翔平のように活躍できるわけではない。プロとは厳しい世界なのだ。