【アジア選手権】最終戦から見る日本の課題と今後の役割

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この結果で見えた日本野球のこれから。

台湾・台中で行われていたアジア選手権が終わった。優勝したのは韓国、準優勝は台湾、そして侍ジャパンは3位という結果に終わった。

最終戦であった台湾vs日本の対決。3対1で台湾が勝利した。現地では両国の戦いを「台日大戦」と称し、注目度がとても高い一戦とされていた。

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写真:台湾vs日本のスコアボード
(出典:Baseball Federation of Asia 公式Facebookページ https://www.facebook.com/baseballasia?pnref=story)

試合は台湾の先発、呂彥青が侍ジャパン打線を6回5安打に抑える好投。打線は5回、押し出し四球で先制すると7回には蘇智傑の本塁打で勝ち越しに成功した。これで勢いに乗ったチームは攻撃の勢いを緩めない。8回、3者連続安打で満塁にすると映画「KANO」の主役、曹佑寧が適時打を放って勝利を手繰り寄せた。

通算成績は4勝1敗。チームの指揮を執った郭李建夫監督(元阪神)は勝因を次のように語っている。

『日本の捕手の肩がよかったので盗塁ができなかった。その状況を利用して我々は多くの戦法を使った。先発の呂彥青は5回までの予定だったが、調子がよかったために次の回も投げさせた。今後の活躍にも期待したい。』

満塁の場面で打った曹佑寧も勝利をかみしめていた。

『6回のチャンスの場面で三振してしまったので8回のときは絶対に打ちたかった。考えすぎず、自分を信じて打席に入ったら打てたのでよかった。日本に勝てたことは嬉しい。』

台湾の勝利は監督の「逆転の発想」が攻撃の形となったものだろう。盗塁ができないなら待球をして相手の出方を見る、内野安打を狙って足を生かす。これまた野球の面白さを体現した試合と言える。

これこそデータ収集が難しい国際大会の怖さ。近年の侍ジャパンはマドンナジャパンを除いたカテゴリーでは(正式な)頂点に立てていない。

(U-12)
・12U W杯(2015年7月~8月・台湾)・・・6位

(U-15)
・15U W杯(2014年7月~8月・メキシコ)・・・7位

(U-18)
・U-18 W杯(2015年8月~9月・日本)・・・準優勝

(大学)
・クワァンジュユニバーシアード(2015年6月・韓国)・・・優勝 ※決勝戦中止のため、台湾と両国優勝

(U-21)
・21U W杯(2014年11月・台湾)・・・準優勝

(社会人)
・アジア選手権(2015年9月・台湾)・・・3位

(トップ)
・WBC(2013年3月・日本・アメリカ)・・・ベスト4

もちろん、国際大会での優勝は容易ではない。どの世代もあと1歩のところで負けてしまうのだ。準優勝でも「よくやった」という声が挙がるが、大会に出場するからには優勝してほしいと思うし、他国とよい勝負をしてほしい。

今回のアジア選手権は中継がなかったとはいえ、日本での関心は低かった。情報を得るには侍ジャパンかアジア野球連盟のホームページ、もしくは台湾現地の記事を読む、といったもので方法が限られた。

韓国・台湾に負けたが、中国・パキスタン・インドネシアにはコールド勝ちを収めた。今回も「アジア3強」が上位に入ってしまった。野球事情が違うとはいえ、力が違いすぎる。

日本の3位は今後の世界の野球のためにするべきことが見えたのではないだろうか。例えば、チームとしては大会直前になってから選手を集めて合宿や試合をするのではなく、約2ヶ月ほど前から始動する。

他国に対しては日本人指導者の派遣を推進する。今回のパキスタンとインドネシアは日本人監督だった。基本はアマチュア出身者が指導している状況だ。ニュージーランドの清水直行(元千葉ロッテ)のようにプロ出身者も動いてほしい。

野球発展途上国は指導者を求めている。特にアジア圏は飢えている。実力格差を縮めるためには、日本人の力が必要だ。世界ランキング1位の実力があるのならそれを求めている国に伝授してもよい。

代表整備と情報発信。日本の役割がはっきり見えたアジア大会の結果だった。

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