【プレミア12】チームの柱を失った台湾。弱体化に立ち向かう郭泰源

NO IMAGE

代表チームを襲う厳しい投手選考の現実。

11月に開催されるプレミア12では台湾の監督は郭泰源(元西武)が務める。8月下旬に出場国の中で1番早く45人の1次候補メンバーを発表していた。当時はまだMLBが「メジャーリーガーを参加させない」と表明する前のことであったため、海外で活躍する選手の名前が載っていたのだ。

10月10日の最終メンバー提出まで1ヶ月を切り、どこの国でもさらなる絞り込みに頭を悩ませている中、台湾ではチームの中心選手として期待されていた選手達が大会に出場しないことを決めた。

4人で全員投手だ。出場しないのはチェン・ウェイン(オリオールズ)、王建民(マリナーズ3A)、曾仁和(カブス3A)、郭泓志(統一)。

チェンはMLBが表明した前述の理由から。マイナーに所属している選手はチームが容認すれば出場可能だったが、王建民と曾仁和には許可が下りなかった。郭泓志は左肩の故障だ。

現地の見方としては、チェンは出場しないとしたうえで王建民と曾仁和が投手陣の中心を担うことを期待していた。それが叶わないことになったことで代表チームの投手は弱体化の危機を迎えた。

王建民は次のようなメッセージを発表した。

『みなさん、こんにちは。王建民です。

私は11月に開催されるプレミア12には出場しないと決めました。理由は球団からの許可が下りなかったことと自身の調整の難しさにあります。代表チームの一員として国際大会に参加するからには、調子のピークをベストの状態までもってこなければなりません。今年の私はメジャー復帰のためにフル回転で投げてきました。3Aのシーズンが終わってから出場するかどうか考えましたが、疲労が溜まっており調整するのが難しいと判断しました。

この決定を受け入れてくださった棒球協会の方や郭泰源監督には感謝しています。国際大会での経験はメジャー登板での大きな武器になります。それに台湾では若くてよい投手が増えています。彼らには自分を信じて素晴らしいパフォーマンスをしてくれることを期待しています。

私はプレミア12には出場しませんが、応援しています。情熱的なファンやチームのために1試合を大切に頑張ってください。』

4人が出場しないことにより、45人の1次メンバーに登録されていた補欠選手を登録することになる。新たなメンバーは王溢正(Lamigo・元横浜DeNA・投手)、王柏融(Lamigo・外野手)、謝榮豪(中信兄弟・投手)、王鏡銘(統一・投手)。

同時に投手陣の構想も発表された。全員で13人。参加を表明した郭俊麟(西武)を先発にし、台湾プロ野球で現役最多の勝利数を誇る潘威倫(統一)を中継ぎで起用するとのこと。

投手出身の郭泰源監督は今回、訪れた「危機」について次のように話した。

『今回、チームの柱になるはずだった4人が参加しないことにより、代表チームの投手陣は弱くなり、チーム全体としても大きな影響を受けるだろう。現在は投手をどうするか決めているところだ。なぜなら短期決戦では先発が重要だからだ。投手コーチをしながらプレミア12の準備はゆっくり大胆にやっている。先日のアジア選手権でも中にはいい選手はいた。』

言葉の限りでは追い詰められているような感じではない。むしろ、ピンチをチャンスを変えるような秘策を考えているように思えてならない。それでも懸念されているのは台湾の投手陣の弱さだ。その弱点を補うために「旅外球員」(海外でプレーする選手)の力は絶対に必要だった。

どのようにこの試練を乗り越えるのだろうか。その答えは28人の最終メンバー発表でわかるだろう。予選では日本とは別グループだが、ベスト4に進出すれば対戦する可能性は十分にある。

現在、発表されている予定では9月29日に選考会議を開催し、10月1日に発表されることになっている。

郭泰源マジックを見逃すな!

アジア野球カテゴリの最新記事