手腕を評価され、監督続投がほぼ決定。
先日行われたアジア選手権で準優勝した台湾。チームを率いたのは元阪神の投手、郭李建夫だ。現在は台湾・開南大学野球部の監督を務めている。
本来の予定ではこのアジア選手権終了後に代表監督を勇退する話があったが、棒球協会から続投の要請があった。現段階では口約束の形で承諾したようだ。
アマチュア代表監督を引き受けて出場した3度の国際大会ではすべて好成績を残している。
・21U W杯・・・優勝(2014年11月・台湾)
・光州ユニバーシアード・・・優勝(2015年7月・韓国)※日本と両国優勝
・アジア選手権・・・準優勝(2015年9月・台湾)
これらの成績で上の人たちが黙っているはずがない。このまま2016年の第2回21U W杯や2017年の台北ユニバーシアードでも監督を任せるつもりだ。
この手腕が評価されたのは選手の実力差をカバーした戦略にある。
昨年の21Uでは、チーム内でプロ野球球団所属選手はわずかに3人。残りはマイナー所属や大学・社会人所属の選手で構成されたが、見事に10人以上のプロ選手を揃えた日本・韓国を破って優勝した。
光州にユニバーシアードでは、予選を4戦全勝で通過。決勝戦は雨で日本と戦うことはできなかったものの、投手陣を中心とした鉄壁な守りとチャンスを必ずモノにする勝負強い打線を擁して強さを見せつけた。
そして今回のアジア選手権はマイナー組を6人、21Uから参加している選手を8人揃えた。だいたいの選手の特性はわかっている状態で指導も有利だったことだろう。最後の日本戦では盗塁できないとわかると待球や内野安打、セーフティバントなど様々な戦法を使って相手を揺さぶった。
今後の国際大会でも選出される選手があまり変わらない可能性もあって、そのままプレーヤーたちの性格や長所の理解に時間がかからない。指導に困難を伴うことがなく大会に迎えることができるのは大きい。
トップチームは郭泰源。アマチュアは郭李建夫。両者とも日本と関係がある。ファンからすればその後を活躍を聞いて喜ぶところだが、国際大会は真剣勝負だ。
侍ジャパンの各カテゴリーの代表選手は他国にも注意が必要だが、台湾・郭李建夫の戦略を警戒したほうがよい。
これまで21Uと社会人が敗れている。来年はさっそくリベンジのチャンスだ。