台湾には秘密兵器の選手がいる。
いよいよ明日に控えたプレミア12 台湾代表の最終メンバー、28人の発表。野手陣は陽岱鋼(日本ハム)の出場が決まり、チームにとってはとても心強い。その一方で外野手については不安要素もある。メンバー入りが確実視されていた林哲瑄(義大)が負傷により大会にはでない。
それもそのはず。先日のLamigoモンキースとの試合で投手としてマウンドに戻った陽耀勳から死球を喰らい、骨折したからだ。今年6月までは高知ファイティングドッグスに所属していた。元々はマイナーで二刀流として活躍。投げれば140キロ超、打てば弾丸ライナーの打球をポンポンと飛ばす。投打ともにさらなる成長が期待されていたが、来日する際に外野手一本で勝負することを決意した。義大ライノスからドラフト1位指名を受けて入団し、中心選手としてこれからというときの負傷なだけにファンも動揺したことだろう。
リハビリ中の現在、状況はとても良いという。本人は自身が出場しない代わりにある選手の大会参加を推薦した。
その選手とは王柏融(22歳・Lamigo)。右投げ左打ちの外野手。6月のドラフト会議でLamigoから1位指名を受けて入団。1軍初出場となった8月2日の試合ではいきなり2安打1打点と活躍し、ヒーローインタビューを受ける。その2日後には球界最多勝投手、潘威倫(統一)からプロ本塁打を放ち、ファンの度肝を抜いた。
映像:プロ初本塁打を放つ王柏融
(出典:You tube 中華職棒CPBL https://www.youtube.com/watch?v=KIsyyQxVxbA)
現在の成績は以下の通り。
20試合 80打数30安打 8本塁打 24打点 打率.375
※成績は9月27日現在のもの。
プレミア12の1次候補名簿には予備メンバーとして名前が入っていた。デビュー後の活躍で球界全体の評価は急上昇。林哲瑄がケガで出場しないのを機に選ばれる可能性が高くなっている。
球界関係者も彼の実力に太鼓判を押している。その声を集めてみた。
・洪一中(Lamigo監督)『彼の活躍ぶりは本当に素晴らしい。シーズン終了後の最終成績が楽しみだ。』
・陽耀勳『彼の打撃は本当に怪物だ。打ちだしたら止まらない爆発力がある。今後の成長には目が離せない。』
・林哲瑄『外野手としてすでにプロのレベルだ。打撃もよいし、国際大会でも主力として活躍できるだろう。』
・郭泰源(台湾代表監督)『まだプレミア12のメンバー入りさせるかどうかは決めていないが、重要な候補の1人。最近では1番、調子がよい外野手だ。』
海外リーグを経験した選手が推薦しているのだから、相当の実力者といえるだろう。球界の新人本塁打記録も更新し、勢いに乗っている。まだデータが揃っていない中、本当にメンバー入りが実現すれば侍ジャパンにとっては要注意選手となる。
果たして監督の郭泰源はどのような決断を下すのだろうか。明日、午後12時30分からの記者会見を注目しよう。