台湾は賭け事に対して寛大なのだろうか。
10月5日、日本球界に衝撃が走った。巨人・福田聡志が野球賭博に関与していたことが判明した。事の始まりなどについては報道されている通り。NPBはもちろん、オリンピックに大きな影響を与えることは間違いない。
今回の「事件」についての報道はすぐさま、海の向こうの台湾でも報道された。これを受けてプロ球界では賭博を防ぐための対策を決めた。
台湾プロ野球秘書長の朱康震氏によると、選手やチームスタッフに対してスポーツくじの購入を厳格に禁止するとのこと。
元々、台湾球界は八百長をはじめとする野球賭博に頭を悩まされてきた。90年代には味全ドラゴンズ、三商タイガースといった球団が解散に追い込まれた。最近では2009年にも同様な事態が起こり、中込伸(元阪神)も関与した人物として逮捕された。
現在の台湾プロ野球規約は以下のように定められている。
『各球団のプレーヤーやスタッフは連盟と球団が統括する労働者である。よってスポーツくじの購入や譲渡、受け取りは禁止されている。これに違反した者は1年間の停職とし、給料は支払われない。また、関係者に購入や譲渡、受け取りを指示した場合には即解雇、もしくは永久追放とする。』
台湾においてスポーツくじは日本とは違い、日常的に販売・購入がされている。種類は野球をはじめ、サッカ
ー、バスケットボール、F1、アイスホッケー、アメリカンフットボールがある。野球の賭けの対象はMLBとNPBだ。
やり方は日本とほぼ同じ。チームの勝敗、点差、球数を予想し、マークシートに記入するだけだ。
自身も以前、台湾を旅行した際には友人の薦めで町中の店でスポーツくじをやってみた。直接、試合を予想するものではなかったが、マークシートの数字を何となく塗りつぶしていた記憶がある。
写真:実際に体験した台湾のスポーツくじ
町中では宝くじの店が所々にある。インターネットでスポーツくじの専門サイトがあるため、試合を観ながら賭けをする仕組みのようだ。
https://www.sportslottery.com.tw/en/home
(参考:台湾のスポーツくじの公式サイト)
関係者の発表では今はまだ球界内での取り締まりを強化するのみとなっている。具体的な案はまだわからないが、どのように事が進んでいくのか注目される。
日本の1人の投手が楽しむために軽い気持ちで始めた行為が、海を越えて議論される。プロアスリートである以上、絶対にやってはならないこと。現に球団には多くの苦情の電話があるというが、まさに悪夢だ
台湾の野球界はプロ・アマ含め「出来事」に大きく左右される。八百長問題が起きればチーム数が減り、WBCなどで結果をだせば逆にチームが増えて活性化するのだ。まだ現地では再発は確認されていないが、早急な具体的な対策と判断が求められるだろう。