いよいよ初戦で激突するメンバーが決定。
10月7日から韓国ではポストシーズンが始まる。今季からKTウィズが1軍に参入したことにより上位5球団が進出できるようになった。初戦はワイルドカード決定戦、ネクセンヒーローズ vs SKワイバーンズだ。侍ジャパン打撃コーチの稲葉篤紀が視察のため、現地へ飛んだ。どのようなレポートが届くのか楽しみである。
その一方でプレミア12韓国代表の最終メンバー28人が発表された。
写真:プレミア12韓国代表最終メンバー名簿
(出典:SBS Sports公式Facebookページ https://www.facebook.com/sbssportsnow?fref=ts)
投手13人、野手15人。構成は台湾と同じだ。先発陣にはイ・デウン(千葉ロッテ)やキム・グァンヒョン(SK)が入っている。抑えにはイム・チャンヨン(サムソン)が入ったが、オ・スンファン(阪神)は足の故障のため、メンバーからは外れた。
一方の野手ではシーズン50発男、パク・ビョンホのほか、イ・デホ(ソフトバンク)も入った。キム・テギュン(ハンファ)は落選となった。
ここからは各選手を簡単に紹介していきたい。今回は投手編だ。
▢先発
右投
ユン・ソンファン(サムソン)
今季、17勝を挙げたサムソンの新エース。3年連続2桁勝利をクリアし、FA移籍したペ・ヨンス(ハンファ)の穴を埋める活躍を見せた。投球回数も194もスタミナにも自信あり。スライダーでカウントを取りに行き、カーブで打たせる一方でフォークで空振りを狙ってくる。セットポジションから投げ込まれるストレートは140キロ中盤。
イ・デウン(千葉ロッテ)
前半戦は脅威の勝ち運で勝利を積み重ねてきた。先発に中継ぎと配置転換を経験したが、プレミア12では先発として起用される。150キロのストレートとフォークの組み合わせた投球には注意が必要。
イ・デヤン(NC)
今季は自身初の10勝を挙げる。サイドスロー投手で急激な変化をする横のスライダーと小さく落ちるシンカーで打たせて取る投球をする。球速は138キロほどで球が真ん中に集まる傾向がある。
ウ・ギュミン(LG)
こちらも今季は2桁11勝を挙げた投手。184センチの長身サイドスロー。主にスライダーで打者の外角を攻めるパターン。コントロールが悪く、球が散らばるために逆に打ちづらい。試合中では打者の頭にぶつけて乱闘騒ぎになる。また、別の試合では打者のバットが自身に向かって飛んできたこともあり、ヒヤヒヤさせる投手にようだ。
左投
チャ・ウチャン(サムソン)
13勝を挙げたチームの左腕エースの1人。奪三振能力に長けており、今季は173投球回に対して194個の三振を奪い、最多奪三振のタイトルを獲得した。。外角へのコントロールが良く、スライダーとフォーク(縦のスライダー)で攻めてくる。ストレートは140キロ後半で内角を攻めるときによく投げている。
キム・グァンヒョン(SK)
日本でもおなじみの左腕。本日から開幕するワイルドカード決定戦第1戦の先発投手だ。数年前は顔面麻痺や故障に悩まされていたが、今季は14勝を挙げ、3年連続2桁勝利をクリアした。09年WBCで日本を苦しめたスライダーは健在。稲葉打撃コーチが今の状態をレポートしてくれる予定だ。
▢中継ぎ・抑え
右投
アン・ジマン(サムソン)
チームの絶対的なセットアップマン。2月のソフトバンクとの親善試合でも投げていた。今季は通算150ホールドを達成する活躍。今季は37ホールドを挙げてタイトルを獲得した。4年連続50試合登板をしており、連投も可能だ。150キロのストレートと縦のスライダーで空振りを誘う。
チョ・サンウ(ネクセン)
リーグ3位となる19ホールドを挙げた。186センチ・94キロの巨体から放たれる150キロ超のストレートは脅威だ。後半戦はソン・スンラクに代わり抑えも経験。931/3の投球回で89奪三振と能力も高い。未来の代表チームの抑え候補。
チョ・ムグン(KT)
今季、KTに入団した大卒ルーキーで中継ぎとして活躍。71回2/3を投げ、防御率1.88の安定感で8勝を挙げた。
奪三振数も83。
イム・チャンヨン(サムソン)
ヤクルトでも活躍したサムソンの抑え投手。韓国復帰後も順調セーブを積み重ね、今季は韓国通算200セーブを達成。33セーブでタイトルも獲得した。プレミア12でも守護神を任せられる可能性が高い。
チョン・デヒョン(ロッテジャイアンツ)
プロ生活15年のアンダースロー投手。昨年は60試合登板とチームのブルペン陣の柱となったが、今季はわずか19試合に留まる。牧田(西武)のような低さはないが、打者の内角に浮き上がるストレートを武器に打ち取る。投球テンポが早いので注意。
左投
チョン・ウラム(SK)
セットポジションから140キロ台のストレートとカーブ、チェンジアップで緩急を使って打たせて取る。6年連続60試合登板を果たしており、08年には85試合登板。脅威のスタミナの持ち主だ。
イ・ヒョンスン(トゥサン)
145キロのストレートを中心に打者の内角を攻める強心臓投手。スライダーも投げるが、注意が必要なのは90キロ台のスローカーブ。この武器で多くの強打者たちの度肝を抜いた。5月の月間MVPにも選ばれている。
今回のメンバーを見るとサイドスローやアンダースローと変則投手から150キロの速球を投げる投手、落ちる変化中を操る投手と多彩の顔ぶれとなった。個人的には謎の新人投手、チョ・ムグン(KT)に注目したい。最下位に沈むチームの中で輝いた中継ぎエース。データも少なく、韓国の秘密兵器になりうる。
日本でもおなじみの投手もいる中、有利な部分もあるが、韓国も侍ジャパンの情報も多く得ているに違いない。どれだけの選手データを集め、対策を練ることができるかが、勝負の分かれ目となりそうだ。
明日は野手陣を紹介する。