パワーと走力に比重を置いた選手を選出。
10月7日、プレミア12韓国代表の最終メンバー28人が発表された。
写真:プレミア12韓国代表最終メンバー名簿
(出典:SBS Sports公式Facebookページ https://www.facebook.com/sbssportsnow?fref=ts)
今回は野手陣を紹介する。MLB側の立場が明らかになったことでチュ・シンス(レンジャーズ)はメンバーから外れた。カン・ジョンホ(パイレーツ)は負傷が原因で出場できない。これで戦力ダウンと考えられるが、その分をカバーする選手たちが揃った。ここからは1人ずつ、簡単に紹介する。
▢捕手
ヤン・ウィジ(トゥサン)右打
チームの中軸を打つ、いわゆる「打てる捕手」。今季はキャリアハイとなる打率.326 本塁打20 打点93の成績を残した。内角高めにはめっぽう強く、韓国を代表する投手のヤン・ヒョンジュン(KIA)を一撃で粉砕したこともある意外性のある打者。
カン・ミンホ(ロッテジャイアンツ)右打
長年、韓国代表のホームを守る守備の要。長打を打てる打撃も魅力で今季の前半戦では本塁打王争いを牽引していた。最終的には35本塁打でこちらも過去最高成績。彼が6番打者に入ることで切れ目のない打線が完成する。イメージはアニメ・ダイヤのAに登場する御幸一也(捕手・青道高校)。
▢一塁手
パク・ビョンホ(ネクセン)右打
韓国を代表する新スラッガー。2年連続50本塁打を達成すると同時にこれまでイ・スンヨプ(サムソン)が持っていたシーズン打点記録144を更新。本塁打と打点の二冠王に輝く。過去、TBSや前田智徳が彼を取材した。打線の中で1番警戒すべき打者だ。
イ・デホ(ソフトバンク)右打
ご存じの通り、チームの優勝に貢献した大型スラッガー。NPBでは初の30本塁打を超え、柳田、松田らと共に強力打線を形成した。右方向に流し打ちもできる巧打も魅力。代表では5番打者として打線を支えることが濃厚だ。
▢二塁手
チョン・グンウ(ハンファ)右打
ミート力に優れ、打球の打ち分けがうまい。今までは早打ちで打率を下げてしまう傾向があったが、待球ができるようになった。10年連続20盗塁も達成しており、足もある。何を仕掛けてくるかわからない不気味な打者。
オ・ジェウォン(トゥサン)左打
守備範囲がとてつもなく広く、韓国の菊池涼介というべき選手。3年連続30盗塁を達成するなど、塁上で相手をかき回すことに特化している。2番打者としては適任だ。セーフティバントには注意。
▢三塁手
パク・ソクミン(サムソン)右打
チームの中軸を担う中心選手の1人。チャンスに強く、今季は初の100打点を超える活躍。三塁守備も折り紙付きのうまさを誇る。広角に長打も打てる能力があり、3番打者として得点も期待できる。
ファン・ジェギュン(ロッテジャイアンツ)右打
低めの球に強い、ローボールヒッター。守備も球際に強く、幾度となくテレビの特集に取り上げられるほど捕球能力に長けている。今季は26本塁打 97打点と打撃能力も高い。
▢遊撃手
キム・ソンス(サムソン)右打
多くの横っ飛び捕球でファインプレーを演出してきた。1度、落とした打球をグラブトスで送球し、二塁走者をアウトにする離れ業を披露した。今季は125安打、26盗塁と打力と足もある。18個のエラーは少々、玉にキズだが、積極守備をした結果が出ている。
キム・ジェホ(トゥサン)右打
2年ぶりの打率3割を打った。成績的にはあまり目立ったものはないが、キム・ソンスと同じく、守備で攻撃のリズムをつくる印象。チームのレギュラー遊撃手だが、能力的には未だ未知数は部分も。
▢外野手
ミン・ビョンホン(トゥサン)右打
3年連続打率3割を達成。四球50と選球眼に優れているようだ。安打数も149とそこそこ多い。打球として引っ張る傾向がある。スピードが速いので三塁手と左翼手は注意だ。
ナ・ソンボム(NC)左打
今季2位の184安打を放った。打率も3割、本塁打28 盗塁23と走攻守の3拍子揃った選手といえる。プロ3年目での代表選出はチーム内からも驚きと称賛の声。チームの核弾頭のような存在になりうる。パク・ビョンホ同様に注意が必要。
キム・ヒョンス(トゥサン)左打
チームの4番でファンから根強い人気がある。188センチ100キロの巨体から打つ打球は大きな放物線を描いてスタンドへ飛んでいく。今季は自己最高の28本塁打を放ち、ポストシーズン進出に貢献した。外角低めのストライクからボールになる変化球で攻めるべし。
ソン・アソプ(ロッテジャイアンツ)左打
6年連続3割を達成したチームのアベレージヒッター。今季は通算1,000安打も記録した。どの方向にも打球を打ち分ける技術がある。本塁打は13本に留まってはいるものの、チャンスメイクに長けている。9番打者に入れば下位打線でも上位打線と同じ働きをするだろう。
イ・ヨンギュ(ハンファ)左打
韓国の足といえばこの選手。過去は44盗塁で盗塁王も獲得したこともある。今季は28盗塁と数は減ったが、打率.341と打撃開眼。168安打を放ち、チームの最下位脱出のキーマンとなった。守備の安定感も魅力で今季のエラーはわずかに3。
以上、全15選手を簡単に紹介したが、打高投低といわれる韓国であっても長打を打てる選手が多いのは魅力だ。ただ、パワーだけで攻めるのではなく、走塁でチャンスを広げてからの攻撃は侍ジャパンにとって大きなダメージを与えることだろう。
侍ジャパンの先発は大谷が濃厚であることはすでに現地でも知られている。160キロの速球にどのように対応してくるのか。カギを握るのはパワーではなく、ミート力になってくるのかもしれない。
続報が出たらまた、お伝えしたい。