チームの秘密兵器は監督のマンツーマンで強化中。
台湾プロ野球は10月17日から台湾シリーズが始まる。後期シーズンは中信兄弟エレファンツが優勝したことで、Lamigoモンキースと台湾一を争う。しかし、優勝が決まっても雨天中止の影響でまだ試合が残っている。
その一方で、プレミア12に向けて10月1日から合宿が始まっているが、参加しているのはわずかに2人しかいない。呂彥青と宋家豪だ。
呂彥青(19歳・左投)は先月のアジア選手権で侍ジャパンを6回無失点に抑えたことでサプライズ選出された。現在は台湾體育運動大学の野球部に所属している。
参考:アジア選手権での侍ジャパン戦に先発した呂彥青
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=Vm20h8k49wA)
宋家豪(23歳・右投)はMAX151キロを誇るガッチリした体を持つ投手。6月のドラフト会議では統一ライオンズから2位指名を受けるもレベルの高い野球をやりたいことを理由に拒否。NPB入りを目指して自主トレを行っていた。
参考:昨年のU21W杯 オーストラリア戦で投げる宋家豪(1:00から)
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=HEfCKa3Cpy8)
この2人は郭泰源監督のもと、3勤1休の日程で練習を行っている。宋家豪は7月のユニバーシアード大会終了後から投げていないため、関係者から状態が心配されていた。プレミア12のメンバーに選ばれたことで本格的な調整ができることになった。練習中はブルペンにも入り、球質を確かめる日々を送っている。本人は次のように話している。
『最近はまったくブルペンに入っていなかったが、監督に投球を見てもらうことで安心できる。これからは少しずつ球数を増やして最高の形で試合に臨みたい。』
アマチュア所属の2人がマンツーマンで台湾の英雄である郭泰源から指導を受けられることは、ある意味お得だ。とは言っても監督は統一ライオンズの投手コーチも務めていることから付きっきりというわけにもいかない。短期間で伸びるかどうかは本人の努力にかかっている。
統一は残り5試合。最下位に沈んだため、13日の最終戦が終われば郭泰源は完全に台湾代表の監督として選手を指導できる。
既に練習は始まっているが、日程の関係上で選手が集まることができないのは痛いだろう。台湾プロ野球の選手達は台湾シリーズ終了後、チェン・グァンユウ(千葉ロッテ)の合流はクライマックスシリーズ次第となる。
そんな状況の中、ある選手が台湾に帰ってくることがきまった。郭俊麟(西武)だ。チームは3位に入れず、シーズンが終了したことで秋季キャンプに突入する。本人はプレミア12の練習に合流するために10月9日に帰国することが決まっている。到着後は記者会見を開き、1年間のプレーを振り返る。実際にチームに合流するのは12日からの予定だ。
ひとあし早く、最終メンバーを発表したが、合同練習ができず始動が遅れてしまう可能性がある。投手陣が手薄という弱点を克服するためにも郭俊麟、呂彥青、宋家豪の若い3投手の仕上げが重要になる。
二足のわらじを履く、郭泰源はどのようにチームを形成するのか。その手腕から目が離せない。