注目されていた一戦はどのように見られていたのか。
10月10日からセ・パでクライマックスシリーズが開幕した。初戦を獲ったほうに勢いがつくといわれる第1戦は巨人はサヨナラ押し出しで勝利し、ロッテが大谷を攻略するという劇的な結果となった。
その試合の様子は日本ハムの全試合を放送している台湾でも大きく報道された。海の向こうでも注目されているクライマックスシリーズはプレミア12に出場する選手もいるため、ファンも楽しみにしているのだ。やはり陽岱鋼の活躍は気になる。また、大谷や中田翔など名が通った選手もいることからチームを通じて日本プロ野球に触れる機会が毎日ある。
さて、現地での注目カードだった日本ハム vs ロッテ。驚きだったのはなんといっても大谷の3回途中降板だろう。2回にデスパイネを160キロで見逃し三振に切って取ったのはよかったものの、コントロールが定まらず、降板してみれば3四球、5失点という成績に終わってしまった。
台湾の新聞社『ETtoday運動雲』では大谷について次のように報道していた。
『投手三冠を獲得した大谷だったが、良い投球ができずに四球で自滅してしまった。ロッテに対しては3試合で2勝1敗という成績。奪三振率も10.88と高い数値を記録していたが今回は自慢の奪三振能力も発揮できなかった。』
(出典:Ettoday運動雲 http://sports.ettoday.net/news/577820)
とても残念な声だ。それもそのはず。陽岱鋼が4打数2安打で打線を牽引したというのに大谷の後を任された投手陣もピリッとしなかったからだ。1試合で10四死球も出してしまえば勝てる試合にも勝てないのは当然だ。となると二塁打でチャンスメイクした陽岱鋼の後に1点は返したものの、その後は打って得点できなかった打線が悔やまれる。
『陽岱鋼は二塁打を含む2安打でチームに貢献したが、勝利には結びつかなかった。』
母国のヒーローが活躍したのに勝てなかった事実に対して、台湾の新聞記者ががっかりしている姿が目に浮かぶ。
これで後がなくなった日本ハムは大谷を中1日で登板させるという。栗山監督も必死なのだ。その一方でロッテの先発はチェン・グァンユウだ。台湾のファンからすれば楽しみが増えるだろうが、この場合、どちらのチームを応援するのだろうか。非常に興味深い点である。両チームの命運は台湾人選手の陽岱鋼とチェンの2人が握っているかもしれない。
クライマックスシリーズは日本のファンだけが注目しているのではない。たとえ距離が離れていても台湾の多くのファンが勝負の行方を楽しみにしているのだ。
※ちなみに『クライマックスシリーズ』は中国語で『高潮系列賽(ガオチャオシィリェサイ)』と言うそうだ。