未来予想図をワクワクしながら描いている会長。
先日、台湾では日本や韓国よりも早く、2015年の全日程を終了した。台湾シリーズではLamigoモンキースと中信兄弟エレファンツが対決。第3戦では途中、雨天中断の影響もあって日付をまたぐ試合をした。終電がなくなっても球場に残るファンが多数いたという。最終的には第7戦まで及んだ決戦はLamigoが逆転優勝を飾り、2連覇を達成した。
選手達は休む暇もなく、11月のプレミア12に向けて調整を続けている。壮行試合も始まっており、オランダとの開幕戦にむけて着々と準備が進んでいる。
これには台湾プロ野球会長の呉志揚氏もご満悦の様子。来月の「本番」に向けてやる気満々といったところだ。国際大会の運営や来季の準備など、こちらも休みなしで動いている。
昨日(27日)は「アジアFM」というラジオ番組に出演し、今後の球界展望を語った。
話した内容によると将来的に6球団制として、各都市に1球団ずつ置きたいようだ、ちなみに現在の4球団の本拠地(ホームタウン)は次の通り。
・桃園市・・・Lamigoモンキース
・台北市・・・中信兄弟エレファンツ
・高雄市・・・義大ライノス
・台南市・・・統一ライオンズ
既に消滅した球団のホームタウンを見てみると、屏東や新竹といったよく旅行ガイドブックにも載っているような場所に構えていた。
現地のファンは4球団制になってから長い間、新球団誕生を望んでいる。開幕前に発売された野球雑誌には「ファンの1番の関心事は?」という項目があった。ランキング形式で発表されていて、第1位が「5球団目の誕生」だったことからその願望は見てとれる。
また、来季はファンに対してより野球を身近なものにするために構想を練っているという。その1つとしてオープン戦を全試合中継すること。呉志揚会長は番組内でリスナーに対して次のように呼びかけた。
『野球を台湾一の球技とするためにはファンのみなさんの協力が必要です。みなさん、ぜひ来年はもっと球場に足を運んでください。』
個人的には既に1番のスポーツになっていると思うが、本人はまだまだ貪欲なのだ。彼いわく、野球人気を象徴するシーンが台湾シリーズの中であったそうだ。
それは長年、代表チームの中心を担ってきた陳金鋒(Lamigo)の存在だ。近年は年齢のこともあり、指名打者か代打の出場に限られている。今回のシリーズでは代打で登場した際、球団のファン関係なく、総立ちで彼を迎えたという。今季限りで引退も示唆されていたが、見事に安打を打つ活躍で球場を湧かせた。
この出来事でのファンの情熱な応援、態度に感動したという。
当ブログで度々、呉志揚会長のことを紹介している。なぜなら彼の野球に対する考えや行動力が魅力的だからだ。必ずと言っていいほど、野球のイベントがあれば顔を出している。
3月に行われた侍ジャパンと欧州選抜との試合のときに来日した。台湾の選手が出場する訳ではないものの、日本と意見交換をして良いところを取り入れるために自ら行動した。試合観戦をした際にはとても感動したようで「ぜひ、欧州チームを台湾に呼んで試合がしたい」と言っていた。この願いは11月下旬から行われるアジアウインターリーグで実現することになった。
また、夏場には王建民にプレミア12への出場を打診するため、アメリカに飛んだ。またある時には韓国にも行き、韓国プロ野球委員会の総裁とも意見交換をしたこともある。とにかく行動的だ。
1番の魅力はラジオ番組を持っていることだ。今年の2月に台湾プロ野球の会長に就任してから1ヶ月も経たずにスタートさせた。タイトルは「週末喜洋揚」だ。この番組には日本の熊崎コミッショナーも出演したこともある。球界のトップにいながらも常にファンの近くにおり、声を聞いて、実現に向けて動いている。
これほど安心して任せられる会長はいるだろうか。敬意を表したい。
今後も改革を続ける台湾球界。明るい未来は呉志揚会長の手の中にある。ますます目が離せない。