1点に一喜一憂する台湾のファン。
12日の最後の試合は日本対ドミニカ・・・・ではなく、台湾対カナダを観に台中に戻った。桃園での試合終了後、別件で2時間ほど友人を待っていたが、その影響もあって戻ったときには試合はすでに始まっていた。このときのスコアも4対2、前日の日本対メキシコと同じだった。
劣勢ながらも台湾のファンの熱烈な応援は開幕戦のときと変わらず、1球1球に命をかけているような雰囲気だった。
陽岱鋼(日本ハム)がアクシデントでスタメンを外れる不運もありながら徐々にカナダを追い詰める台湾打線。投手陣は開幕戦で先発したチェン・グァンユウ(千葉ロッテ)が登板し、スタンドは大盛り上がり。
しかし、一挙に3失点と今大会はピリッとしない。郭俊麟(西武)が伊イタリア戦で好投しただけに本人も意識していたことだろう。
リードを広げられても、台湾打線は諦めない。3番、林智勝(Lamigo)と恐怖の9番、王柏融(Lamigo)の本塁打などで1点差と追い上げる。そのたびにスタンドのファンは大騒ぎ。
台湾の試合といえば必ず、この人物がいる。
昨年のU21のときにもスタンドを歩き回っていた人物。1人で球場内の応援をリードする脅威のアメリカ人?だ。立ち入り禁止の場所にも特別許可をとっており「Go! Go! Taiwan!」とあらゆるところでファンと応援をする。聞いた話によるとLamigoモンキーズの熱烈なファンだそうで国際大会の応援には必ずいる人だそうだ。
途中で陽岱鋼が代打として打席に立った。その時には日本で行われている応援に加えて「Let’s Go! 陽岱鋼!」と声援を送る。中安を放ち、代走を送られベンチに戻る際には英雄を讃える声が鳴りやまなかった。
途中、ボールの判定に抗議するため、グラウンドに現れた郭泰源監督。
その際のブーイングは凄まじかった。球場全体から「ブー!ブー!」が聞こえ、台湾の勝利を願うファンの切実な想いがそこにあった。結局は覆ることはなかったが、試合終了の瞬間まで逆転サヨナラを信じて応援していた多くの人々が残っていた。
負けてもマウンドに集まってお辞儀をする台湾の選手達。これは13年WBCで見せた姿と同じ。応援してくれたファンに感謝の気持ちを表す。この行為が相手の心を掴み、野球人気を支えいるのだ。
両国とも2桁安打を放ったが、カナダが逃げ切った。これで台湾は1勝2敗と予選敗退のピンチ。14日のキューバには必ず勝たなければならない。重要な試合の先発を任されたのは宋家豪(楽天)だ。もし、完封勝利でもして好投したら支配下登録選手にしてもよいのではないか。
東京行きを懸けた重要な一戦は19時30分(日本時間)から始まる。ぜひ、侍ジャパンと同時に台湾の試合も気にかけてほしい。