再び繰り返す、宿命の対決。
ベスト4をかけたキューバ対韓国の試合は7対2で韓国が勝利し、東京行きが決まった。
写真:キューバ対韓国の試合結果
(出典:WBSC公式Facebookページ https://www.facebook.com/wbsc/?fref=ts)
キューバ 2対7 韓国
勝 チャン・ウォンジュン
負 モンティエト
本 ヤン・ウィジ(8表)
投手継投
キューバ
モンティエト→モイネルド→ゴンザレス→ラヘラ→マルティネス→クルス→イェリ→カノ→メンドーサ
韓国
チャン・ウォンジュン→イム・チャンミン→チャ・ウチャン→チョン・デヒョン→イ・ヒョンスン
パク・ビョンホ(ネクセン)の三塁打をきっかけに韓国が一挙5点を先制したが、キューバはモンティエトをわずか2回途中で降板させたことが勝負の明暗を分けたのではないか。これまでの試合でも細かく投手を代えるのがビクトル・メサ監督采配だった。たが、投手陣は全13人中8人が30代と高齢化しているメンバーで長いイニングを投げることができない。試合の解説者は「攻撃的采配」と言っていたが、そうせざるを得なかったのだ。
予選で勝利した2勝もすべて1点差と僅差をモノにしているが、投手の序盤の失点を跳ね返した打線の猛攻があってこそだ。細かい継投で失点をしのぐつもりだったのだろうが、一度、打ち出せば止まらない韓国打線の前に崩れ去った。
上位打線に座ったグリエル三兄弟が仲良く1安打ずつとチャンスメイク。しかし後が続かず、7安打でわずか2得点という結果に終わった。アマチュア最強と言われたキューバの姿は一体、どこに消えてしまったのか。
一方の韓国投手陣は先発、チャン・ウォンジュンが5回まで投げることはできなかったものの、後を引き継いだ4投手が4回1/3をわずか3安打に抑える投球で完璧な継投を見せた。
打線はメジャー行きを宣言しているキム・ヒョンス(トゥサン)、イ・デホ(ソフトバンク)、パク・ビョンホも安打を放ち、
得点に貢献した。自身が試合のカギとして挙げたチョン・グンウ(ハンファ)は1番打者として1安打2打点の活躍。自慢の足で相手を翻弄することはなかったものの、切込み隊長としての役割を十分に果たしている。
この試合で1番、光を放っていたのは8番のヤン・ウィジ(トゥサン)だ。レギュラー捕手のカン・ミンホ(ロッテジャイアンツ)に代わってスタメン出場を果たした。これが大当たりで、終わってみれば本塁打を含む3安打2打点だ。
韓国打線は開幕戦では大谷翔平(日本ハム)ら侍ジャパンの投手陣の前に抑えられていたものの、そのうっぷんを晴らすかのように台湾に来てから大爆発。5試合で36得点という活気ぶりだ。日本打線にも負けていない。
19日の準決勝では再度、日韓が激突する。韓国の先発はこれまでのローテを考えるとイ・デウン(千葉ロッテ)が有力だ。お互い長短所を知っているだけに情報戦では五分五分といったところ。勝利のカギはやはり投手陣となる。
侍ジャパンは大谷。開幕戦の勢いをそのまま持ってこれるか、それとも負けた悔しさを力にできるか。プレミア12初代王者への挑戦権を得るのはどちらか。
両国は腐れ縁。切ろうとしても切ることができない、ライバル関係なのだ。ランキングでは差がついていても、試合では別だ。国の威信をかけて今、ここに火花が散る。