台湾代表、次なるステージへ。
プレミア12は明日、19日から会場を東京ドームに移し、準決勝が行われる。無事にベスト4入りを果たした侍ジャパンは再度、韓国と対戦する。これも何かの縁なのだろう。
昨日は休日だったようで選手達は台湾観光を楽しんでいた。台北101や若者の町、西門に繰り出していたのだ。
西勇輝(オリックス)や松井裕樹(楽天)らは小籠包を食べ、牧田和久(西武)はチームメイトである郭俊麟の招待で西門にいた。これらの様子が現地でニュースになるのだから報道は面白いものだ。
惜しくも予選敗退で幕を閉じた台湾代表はある構想を発表した。ここで登場するのは台湾プロ野球会長の呉志揚氏だ。昨日行われた食事会では選手達と交じる愉快な姿があった。
台湾でも侍ジャパンを参考に代表チームを常設化する意向を示した。今回のプレミア12では監督人選は比較的すぐに終わったものの、選手選びには苦労していた郭泰源。統一ライオンズのヘッド兼投手コーチとして現場にいるとしてもじっくりと選手個々の様子を見ることはできなかったようだ。
そこで今後の国際大会に向けて代表監督を固定し、長い期間をかけて選手の調子を見極め、ベストメンバーを選出していくという。日本でも13年にチームを常設化した際にはトップチームの監督に小久保裕紀が就任。台湾やメジャーオールスター、欧州選抜と試合を重ねていく中でその都度、選手を入れ替えて結果を出してきた。
このやり方は台湾でも称賛の声が挙がっている。今大会で4本塁打と活躍した林智勝(Lamigo)は次のように話している。
「日本のメンバーはとても強かった。監督も2、3年前から決まっていて、選手をじっくり観察し、最高の選手達で大会に臨んでいた。このような点は台湾の棒球協会にも見習ってほしい。」
今後は侍ジャパンを統括しているNPBエンタープライズの関係者と面会し、その経営方法を聞いて参考にしていくという。代表強化のために日本の力を借りることを決めたのだ。
となると、チームのネーミングも重要になってくる。現地では「台湾は台湾であって、チャイニーズタイペイではない」という呼びかけが行われていた。これまでは「中華隊」と報道されてきたが、この数か月間は一部の媒体で「台湾隊」を使用しているところもある。
この決定が17年WBCをはじめ、国際大会にどのような影響を及ぼすのだろうか。台湾代表は日本とともに、新たなステージに立とうとしているのだ。