【プレミア12】韓国の執念を見て感じた日本に必要な意識改革

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今回の敗戦は意識改革のチャンスだ。

プレミア12準決勝、日本対韓国は多くのファンがご存じの通り、4対3で韓国が勝利した。敗れた侍ジャパンは21日に行われる3位決定戦にまわる。

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写真:準決勝の結果
(出典:WBSC公式Facebookページ https://www.facebook.com/wbsc/?fref=ts)

自身は現地にいたが、ここでは試合詳細については触れない(写真は載せるが)。

個人的な意見を言うと、日本が負けてくれて嬉しい。応援していないといえばウソになる。だが、今回の敗戦によってまだまだ日本は発展途上のチームだと認識できたはずだ。これまで2回のサヨナラ勝ちとドラマチックな試合を魅せてくれてはいたが、決して強いチームではない。

全勝で準決勝に駒を進めてきた。自身は残り2戦の結果を気にしていた。もし韓国にも勝ち、その勢いで優勝してしまったら日本野球の終わりだと考えていた。プレーや戦術のことではなく、意識の問題だ。

もちろん選手やファンは「世界一だ!」と歓喜していただろう。同じ日本人としてそれはそれで嬉しいが、ここから生まれてくるのは油断と傲慢さだ。現在、日本の世界ランキングは1位。全勝優勝では他国がまるで弱かったという印象で終わり、日本が最強だという気持ちになりかねない。見下す可能性もでてくる。今季、活躍した選手を揃えている日本に比べ、アメリカや中南米の国のやる気のなさが懸念されているが大会に出ている以上、真剣だ。熱の差が勝敗に関係するのでは八百長をやっているのと同じこと。

メジャーリーガーが出場しようが、しないがれっきとした国際大会なのだ。自身が恐れていた「全勝優勝からくる傲慢さと見下し」がなくなってホッとしている。

今大会で2度目の対戦となった韓国は日本を相当意識していた。過去の対戦成績の一覧表を公開したり、戦力分析チームを総動員して大谷翔平(日本ハム)を攻略しようとしていた。日々、現地で報じられている記事を見る限り「打倒、大谷」がチーム全体の目標だった。準決勝で見られたバント攻撃やファールでの粘りがその証拠だ。

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一方の打者対策。開幕戦に先発したキム・グァンヒョン(SK)は直球とスライダーを狙い撃ちしてくることを予想してカーブやチェンジアップを投げていた。イ・デウン(千葉ロッテ)は1年間、日本の野球を経験していることだけあって特徴を知っていた。最速152キロの直球とフォークで打者をほんろうした。追い込んでからはバタバタしていたが、3失点でも打たれた安打数はわずかに3だ。

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キム・インシク監督も以前から「日本との試合は特別」と意識していた。11月4、5日に行われたキューバとの壮行試合でも見据えていたのは開幕戦。6日の出国前には「日本はB組の中で1番強い。警戒すべき相手だ。6年ぶりの試合は絶対に勝つ」と闘志むき出しだったのだ。決して見下してはいない。その言葉の中にはライバルへの敬意が表れているのだ。

歴史的な部分も関係しているのか、韓国と聞くと苛立つ日本人が多い。そのような事情をスポーツには持ち込みたくない。某メディアの記事のコメントの中には「けちょんけちょんにしてやるよ」とか「負けた理由を考えてみっともない」というものがあったが、今回、逆に負けてみて我々はどう感じたのだろうか。

反対側の立場に立ったとき、きっと韓国側も同じことを考えるだろう。野球関係者全員ではないが、心のどこかで私たちは他国を見下してしまっている。世界ランキングのことをおいておいても、こうした油断が今回のような負けにつながる。

この敗戦は国際大会に対する意識改革をするよい機会なのではないだろうか。

負けてしまったことは事実。もう言い訳はできない。脅威の執念を魅せた韓国に称賛を送り、日本には3位で大会を終えてくれることを期待したい。

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