次に狙うのは世界トップ3。
プレミア12でまさかの予選敗退に終わった台湾代表。既に17年WBCに向けて球界全体で動き出している。まずは来年3月に侍ジャパンと行う強化試合だ。
日本ではこの試合の開催について微妙な反応がある。。なぜ、相手が台湾なのかと。その発言は失礼だが、自身はわずか2試合でチームのどの部分が強化されるのかという点に疑問を抱いている。17年WBCに向けた試合なのだろうが、出場選手が確定したわけでもないのに「強化」というのはおかしいのではないか。それなら単純に試合の名目を「親善試合」とか「交流試合」にすればよい。
一方の台湾側はどのように思っているのだろうか。ここで登場するのは台湾プロ野球会長の呉志揚氏。プレミア12では代表チームの団長を務めていた。
実は準決勝の日韓戦のとき、東京ドームを訪れた。関係者との協議のうえ、今回の試合開催が決まったという。メディアの取材で次のように語った。
「日本との試合は12年3月の東日本大震災復興支援のときから行っている。台湾チームの力を日本に魅せるチャンスだ。プレミア12は残念な結果に終わってしまったが、またこうして交流試合ができることは嬉しいことだ。できることなら毎年のようにしたい。お互いに切磋琢磨できたらいい。」
この開催を歓迎している。当ブログで会長を推している理由として、貪欲に球界発展のために動いているからだ。3月の欧州選抜との試合でも来日し、球団経営の方法をNPB関係者から学んでいる姿も見られた。そのほか、熊崎コミッショナーを自身がパーソナリティを務めるラジオ番組に招待したり、韓国にも飛んで意見交換を行っている。これほど野球に真摯に取り組んでいる人物はいないだろう。
過去2回の試合を振り返ってみると、台湾の選手達は自分達の野球をしながらも常に日本から何かを学ぼうとしていた。技術面はもちろん、戦略面など色々な部分でだ。来年の試合でもし、日本が負けたとしてもプレミア12のときのような批判は起こらない。台湾は常に日本のことを「野球の先輩」と敬いながらも真剣に勝負をしてくるのだ。
強化試合の開催を予測していたかのように現地では、国会で野球競技強化のための目標が定められた。それは17年に世界ランキング3位になることだ。
現在4位の台湾。今年のユニバーシアードやアジア選手権での優勝のポイントが加わることもあってランクアップはすぐなのではないだろうか。もうすぐ行われるウインターリーグでも代表チームを結成し、強化に努めることになっている。
トップ3になるためにも侍ジャパンの強化試合とはいえ、負けてはいられない。会長が言うように切磋琢磨してアジア野球のレベルアップに貢献してほしい。