ニューヒーロー、現る。
台湾で行われているアジアウインターリーグは5日目を迎えた。ここまでの順位はCPBL選抜とKBO選抜が共に1勝1分で首位。アマチュア選手で構成された台湾代表は2勝1敗で3位。NPB選抜は1勝1敗1分で4位。欧州選抜が3敗1分で5位だ。
NPB選抜は3日目に行われた欧州選抜戦では22安打24得点と快勝したが、翌日の台湾代表との試合では1対3の僅差で敗れた。
写真:アジアウインターリーグに出場している台湾代表の選手一覧
(出典:CPBL中華職棒 公式Facebookページ https://www.facebook.com/heartbaseball/?fref=ts )
NPB選抜は4安打1得点と沈黙。一方の台湾代表は12安打3得点と2桁安打を記録して勝利した。若手選手とはいえ、プロ軍団を抑えたの19歳右腕だった。
その名は黃恩賜。台湾の原住民であるアミ族の出身だ。これまた台湾のスポーツ大学の名門、国立台湾体育運動大学に在学している。郭俊麟(西武)の後輩、共にチームで投げている呂彦青と同い年ということになる。
最速151キロで変化球はカーブとチェンジアップだ。昨日の試合では4回を投げて3安打4奪三振無失点の好投を見せた。その後は3投手の継投でNPB選抜打線を抑えた。
試合後、プロ選手を相手に投げた黃恩賜は次のように話している。
「これまでより成長できていると感じている。セットでの変化球の曲がり具合もよい。カーブとフォークがとても有効だった。日本の打者は怖かったが、多くのことを学ぶことができた。」
将来は海外のリーグでプレーしたいとも語っている19歳右腕は試合を投げるごとに自信をつけているようだ。最後には目標を語った。
「いつでも準備はできている。一歩ずつ成長して、いつか海外でプレーしてみたい。」
見据えているのはメジャーなのか、日本なのかはわからないが、ニューヒーローの誕生に今後も注目が集まりそうだ。
長い間、投手陣が弱いと言われているが、こうして若い選手が現れるとWBCやアジア大会といった国際大会での活躍が楽しみになる。ぜひ、呂彦青とともに将来の台湾代表を背負う選手になってほしい。