野球普及の1つの形。
今年の日本球界の目標は野球競技の普及。すでに清水直行(元千葉ロッテなど)がニュージーランドに行っているのをはじめ、パキスタン代表監督の色川冬馬氏やインドネシア代表監督の野中寿人氏など日本人が他国の競技力強化のために活動している。
一方でお隣の韓国でも同様に普及に尽力している人物がいる。その名はイ・マンス。プロ黎明期に活躍したサムソンの捕手でレジェンド選手の1人として称えられている。球界初の三冠王であり、通算252本塁打を放っている。現役時代に着けていた背番号22は永久欠番だ。引退後はSKワイバーンズの監督も務めた。
監督の仕事を終えた後、解説者をしながらラオスへ野球普及活動を行っている。来年1月29日から3日間、ラオスで野球大会を行うことが発表された。
写真:韓国-ラオス野球交流会のお知らせ
(出典:SPOTV http://www.spotvnews.co.kr/?mod=news&act=articleView&idxno=37332)
ラオスはイ・マンスが中心となって創設した初のチーム「Jブラザーズ」が出場する。一方の韓国は6チームで現地へ出向くことになっており、これから参加を募集するという。
イ・、マンスは今年から普及活動を始めた。最初は想像できないほど多くの困難に遭遇したという。何もないところから、韓国球界の協力もあって道具を調達した。その後は学校で野球の授業が行われるようになったり、韓国企業からもラオス野球を支援したいという申し出もあったそうだ。少しずつ現地でもブームが起こっている。
今回の大会開催にあたって次のように語っている。
「ラオスという地でこのような大会を開くことができるのは1人の野球人としてとても嬉しいことだ。かつて、アメリカが韓国に野球をもたらしたように私たちも他国のために尽力したい。参加してくれたチームには野球教室を行う予定だ。より多くの人にこの大会のことを知ってほしい。」
これまでの活動が実を結んだ形となった。何もないところからモノを生み出すのは大変なことだが、続けていれば必ず結果が出ることを証明している。
今年初めに日本でも普及活動をすると宣言していたが、その続報がまったく入って来ない。侍ジャパンの公式サイトを観れば前述の3名の活動状況は把握できるものの、そのほかは何もないのだ。
プレミア12でのスタンドの空席、国によっての実力差、普及と色々と課題がある。このままでは20年のオリンピックで野球が復活しても盛り上がらないのではないか。そこが心配なのだ。私たちファンが活動できないのならせめて、普及活動をしている現状など他国の情報を得る機会を増やすことだ。興味が湧かないのは相手のことをまったく知らないからだ。
今回のような韓国とラオスの野球交流の開催でオリンピック復帰の手助けになることを願いたい。普及活動をしているのは日本人だけではないのだ。
出典元:
http://www.spotvnews.co.kr/?mod=news&act=articleView&idxno=37332