【ウインターリーグ】クレイジーなファンは根っからの野球狂である

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世界中にはクレイジーなファンが必ずいる。

台湾で行われているアジアウインターリーグ。15日の2戦目となったKBO選抜対台湾代表は5対4で台湾代表が逆転勝ちを収めた。映画「KANO」の主役、ツゥオ・ヨウニンや3番打者でキャプテンを務める楊岱均は前日に続いて絶好調。チャンスの場面では必ず結果を出してチームを1位タイに導いた。

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自身は昼の試合に続けての観戦となった。現地のファンからすれば1日2試合はありえないことであり、変態だそうだ。これが普通だと思っていただけにそのように言われると複雑な気持ちになる。

スタンドの様子は昼とは違い、台湾が出場することもあってか足を運ぶファンが2倍ほど増えていた。あくまでも若手育成の場であるため、満員にならないのは仕方のないことだが応援が盛り上がるのであればそれでもいい。

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過去の台湾観戦ではアメリカ人?のおじさんが1人で球場内のファンの応援を仕切っている姿があった。今回はその人は来ておらず、その代わりにさらに熱狂的なファンがウインターリーグを熱くしていた。

CPBL TVやプレミア12台湾代表の試合を観たことのある方なら存在を知っているかもしれない。ツタンカーメンの被り物をして席に座っている男性。国際大会で台湾の試合になると三塁側ベンチ横の席にいるのだ。

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物が金色ということもあるが、声援が球場全体に響くためよく目立っている。その存在感で台湾メディアやネットでは有名人だ。その容姿が韓流スターのぺ・ヨンジュンに似ていることから「冬のソナタ」と呼ばれている。

有名になった本当の理由はわからないが、きっとメチャクチャの応援をしているからだろう。彼も自身と同じように1日2試合観戦をしていた。中国語をはじめ、英語や日本語も話せるため、選手達にも気軽に話しかけることができる。謎なのは一体、どちらのチームを応援しているのか、ということだ。

第2戦では台湾の応援をしているかと思えば急に韓国の応援を始める。そして時間が経つとまた台湾に戻る。また選手の背番号を確認し、その番号に関連する選手の応援歌を歌う。例えば1番なら陽岱鋼、55番なら松井秀喜。中国語で選手の悪口を言っていたようだが、よく出禁にならないなとその度胸には驚きを隠せない。

その様子に周りのファン喜んでいる。現地では笑っている人が多かったが、ネットでは批判の声もある。昼の試合でも三塁コーチャーの藤本敦士に声援を送っていた。もちろん、藤本本人は手を振って応えてくれていた。数分後には急に「藤本さん、アウト」と言い出す。自身が選手じゃないからと制止する場面もあった。

本人に話を聞くと決して悪気はないそうで、純粋に試合を楽しんでいるだけだそうだ。あえて応援するチームを変えるのは交流はもちろんのこと、色々な視点で野球を観たいためだ。ちなみにヤクルトファンであり、原泉が打席に入っているとき山田哲人やバレンティンの名前を叫び始めた。本当に親しみを込めて「クレイジー」と言うしかない。

世界には色々なファンがいる。度がすぎる応援はやめてほしいが、裏を返せば心底、野球を愛しているという証拠だ。つまり、野球狂なのだ。自身が素晴らしい思うのは自国のチームだけではなく他国の選手にも興味を持っていること。なかなか難しいことではあるが 、この考えからしても野球熱愛度がわかる。

台湾だけではなく、ほかの国の球場に行けばまたタイプが違うファンに出会えるかもしれない。これが海外で野球を観る醍醐味とも言える。

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