韓国で新たな取り組み開始。
この数日、韓国では年末の追い込みと言うべきなのか韓国野球委員会(KBO)の動きが活発だ。アマチュア球界への支援を発表したり、ファン向けに公式記録員の講座の開催を告知したりとリーグ運営以外のことで奮闘していた。
クリスマスイブとなった24日、来季からプレー判定に関する新たな取り組みを行うことを発表した。試合中のビデオ判定をさらに強化するという内容だ。
写真:ネクセンヒーローズの本拠地、モクトン球場
「ビデオ判定」といえば本塁打かファールか微妙な判定のときに用いられる再確認の制度だ。アメリカはもちろん、日本でも既に導入されているものだ。
韓国では09年から始まった。昨年からはそれだけではなくフェアかファールかライン際の判定もビデオ判定するようになった。今回はこれらも含めてすべてのプレーで微妙な判定の時にも使用されるようになるという。
今季はいくつか中継では見にくいものもあった、。象徴的だったのは4月15日に行われたLGツインズ対KIAタイガースの試合。LGの攻撃中に走者一塁の場面で、投手がけん制する間に二塁に進塁しようとしたときに事件が起こった。
二塁手のタッチを避けてセーフとなったが、これにKIA監督、キム・ギデが猛抗議する事態に発展した。体を張って審判に説明する姿は翌日のニュースで大きく取り上げられていた。その場面が以下の動画だ。
映像:セーフの判定に体を張って抗議するキム・ギデ監督(問題のプレーは0:21から)
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=hOevO4ESOR4)
結局のところ、監督が退場ということで事態は収まった。何度も中継のスロー映像で確認はしているものの、微妙な判定だ。このようなことが起きて試合が遅くならないようにビデオ判定の強化に努めるという。中継の映像ならば必ずどこかに死角ができてしまう。そこでプレーが起こった場合、審判が時間をかけて協議をしなければならない。
MLBでは08年から導入しているという。機械はもちろんのこと、専門家までいるという話だ。KBOも見習って同様に新たな機械とその道の専門家を招くというのだ。
さっそく球界関係者は動いた。新たなビデオ判定装置を納品する業者を選定入札することになった。31日午後3時まで受け付けるという。業者側としてもKBOと事業をすることで企業名が表に出るし利益にもなるだろう。これは願ってもないチャンスなのだ。
今回のビデオ判定強化で来季は誤審はどれほど減るのか。キム・ギデ監督のような抗議はファンとしては面白い。真剣にやっている側には申し訳ないが、こうした出来事が減るのも残念だ。MLBのよいところを取り入れるのはよいが、どんどんとアメリカかぶれになっている気がしてならない。
韓国球界独自の「色(制度)」ができないものか。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=421&aid=0001804146