【韓国プロ野球】サムソンのバルディリス獲得は球団改革の大きな賭け

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この助っ人補強が表す球団改革。

横浜DeNAベイスターズを退団したアーロム・バルディリスが韓国・サムソンライオンズに入団した。ヤマイコ・ナバーロとの残留交渉を打ち切り、すぐさま新しい外国人選手を探していた。わずか1週間のスピード契約をしたことになる。

映像:浅尾拓也(中日)からサヨナラ本塁打を放つバルディリス
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=sON5z_KXNUY)

サムソンではナバーロの退団だけではなく、レギュラー三塁手だったパク・ソクミンがNCダイノスに移籍したことで内野手の補強が急務となっていた。そこで日本球界を経験した中南米の選手か台湾・Lamigoモンキーズの林智勝かに絞って調査が進められてきた。最終的に選ばれたのはバルディリスだった。

2人に共通していたのは内野ならどこでも守ることができる器用さと一発のある長打力だった。決め手となったのは肩の強さと守備力の安定感の差だった。年齢はバルディリスのほうが1歳若い(※来季は33歳)。

林智勝については能力を比べたが、性格面でナバーロの二の舞にならないように人選したのだろう。彼との交渉が長引いた理由は素行の悪さだ。練習には遅刻、試合中では怠慢プレーがあり、契約書には「誠実さをもつこと」という項目が追加されるほど問題児だった。今回の助っ人は日本で称賛されるほどマジメのためそのような心配はない。

韓国では各球団で獲得できる外国人選手は3人までと決められているため、これでサムソンの補強は終了した。新たに入団したのはバルディリスのほかに14年、レッドソックスで5勝を挙げたアレン・ウェブスターと今季、レッズで1勝のコリン・バレスターだ。

ここで気になることがある。球団がこの3人にかけたのはわずかに230万ドルだ。とても投資額が少ない。まだ全球団の補強が終わった訳ではないが、比べてみるとその違いがわかる。10試合で6勝を挙げたエスミル・ロジャース(ハンファ)が1人で190万ドル、KIAに入団した155キロ右腕のヘクター・ノエシは170万ドルだ。

これは来年から球団の運営管理がグループ会社の「第一企画」に移管されることが関係している。この会社は広告代理店で野球をはじめ、サッカーやバレーなど他競技のプロチームを同時に管理する。他球団からは長年染みついた親会社からの資金をふんだんに使い、強さだけを求めて優勝を目指す形態を変えるのではないかと期待されている。

今回の補強はその改革が実行されたように思える。バルディリスはただチームの弱点を補うために選ばれたのではなく、球場とともに生まれ変わるサムソンにとってビジネス面でも「テスト」されているのだ。これで活躍できれば大成功だ。だが途中退団にでもなれば本人だけではなく、球団に対しても大バッシングだろう。

大げさかもしれないが、バルディリスは球団にとって大きな賭けでもある。命運を握っていると言っても過言ではない。本人は「サムソンのために全力を尽くす」と言っている。果たして、その通りになるかどうか来季の活躍に注目だ。

出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=117&aid=0002706412

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