野球のオク様は新たな道へ。
06年に阪神タイガースに所属したクリス・オクスプリングが今季から韓国・ロッテジャイアンツの2軍投手コーチに就任することが決まった。WBCでオーストラリア代表として投げた経験がある右腕は退団から10年後、指導する立場となる。
写真:2015年9月11日に行われたKTウィズ対LGツインズで投げるオクスプリング
阪神に入団した当時は最速150キロに代名詞といえる大きく曲がるカーブで先発の一角を期待されていた。同年に行われたWBCを辞退したこともあってなんとかローテーションを勝ち取ることができた。しかし試合中盤で打ち込まれる場面が多く、安定感を欠いた。結果、16試合 4勝3敗 防御率5.12でシーズンを終えた。球団は再契約せず、そのまま退団となった。
その後は韓国球界に移籍。LGツインズやロッテジャイアンツ、KTウィズで5年投げた。特にロッテ時代は2年間で23勝を挙げるなど存在感を見せつけた。気さくなキャラクターもあり現地でも「オク様」と呼ばれ、高い人気を得た。
昨年は38歳にして1軍に参入したKTウィズで投げていた。シーズン序盤から最下位に沈むチームにあっても孤島奮闘し12勝を挙げた。自身も実際に投球を観てきたが、10年前と比べてカーブよりもナックルを多用し緩急で打たせていた。直球は140キロ少しだったが一言でいえば熟練の投球だった。この試合は雨天コールドに終わった。全試合日程終了後に退団となった。
今回は就活中に急に舞い込んだオファーだった。彼を採用したロッテジャイアンツ関係者は次のように話していた。
「現役時代に見せてくれた野球に対する真摯な態度や徹底した自己管理、数多くの経験を評価している。ぜひ若い選手達に高い技術と強い精神力を身に付けさせてほしい。期待している」
チームは3年連続Bクラスに沈んでおり、低迷ぎみだ。近年は韓国一の人気球団として知られていたが影をひそめている。今回は若手選手の底上げのために抜擢された。同じ2軍には昨年まで石川ミリオンスターズの監督を務めていたフリオ・フランコがいる。打撃コーチとしてオクスプリングとタッグを組むことになった。
日本球界を経験した2人はどのような指導をするのか。教えを受けた選手が1軍で活躍する日は来るのだろうか。現役の日本人選手はいなくともコーチとして裏から球界を盛り上げるサムライ達がいるのだ。
出典元:
http://mosen.mt.co.kr/article/G1110327453