一刻と迫るデットライン。
日本球界はいよいよ明日、お正月を迎える。ファンにとっても待ちに待った日がやってくるのだ。海の向こうの球界はひと足はやく、キャンプが始まっている。韓国球団は1次としてほぼすべての球団がアメリカやオーストラリアに出向いている。台湾球団はLamigoモンキーズが紅白戦を開催したりオープン戦の日程を発表したりとまさしく球春到来中だ。
そんな中、未だに野球人生の暗闇で彷徨っている選手がいる。ヤクルトにも在籍し、日韓両国で抑えを務めたイム・チャンヨンだ。
写真:韓国代表の一員として投げるイム・チャンヨン
昨年に発覚した海外賭博の影響でサムソンライオンズから放出された後もいまだに去就は決まっていない。同様に賭博をしたオ・スンファンは長年の希望通り、メジャー移籍を実現させたが立場が逆転しているのだ。
一部では家からも出ず、罪悪感を感じながらひっそりと暮らしているという情報がある。そのまま引退するのかと思われたが実は本人は表明していないのだ。つまり移籍先が決まっていないFAの状態だ。
なぜならば完全に選手復帰の道が閉ざされていないからだ。韓国野球委員会(KBO)から全試合の半分となる72試合出場停止の処分を受けた。永久追放にならなかったことでまだ望みはある。だが、世間からの厳しい声が影響して所属先が決まらないのだ。
本日、1月31日までにどこかの球団と契約すれば支配下選手として登録できるが、それを過ぎてからだと育成選手となる。たとえ2月から開幕日の4月1日の間に契約しても育成のままなのだが、あまり立場は変わらない。KBO側は契約した時点で処分が適用されると発表した。本人としても早く試合に出るためにはこの2ヶ月間で移籍先を決める必要がある。どちらにしても前半戦は投げることはできないが、後半戦から活躍するためには球団側も決断をしなければならない。
以前からKIAタイガースがイム・チャンヨンを獲るのではないかという噂がある。KIAは古巣であり、彼の出身地であることから縁がある球団だ。日本球界経験者といえばイ・ボムホ(元ソフトバンク)がキャプテンを務めている。チームとしても昨年は抑えだった元エースのユン・ソクミンの先発復帰が有力視されている。本当にそうなれば適任者がいなくなるため、絶好の機会となる。
選手能力だけを見るなら絶対に必要な存在なのだが、犯罪を行った悪いイメージは簡単には拭えない。獲得すれば球団も世間からバッシングを受けることは目に見えている。関係者は話し合いをしてから決めると言っていたが、その後の消息はない。他球団も興味を持っている話もあるが、直接交渉には踏み切れていないようだ。
後半戦はチームの明暗を分ける大事な試合が続く。ここぞというときに抑えてくれる選手がいれば心強い。その勝負となる時期に彼をマウンドに立たせるためには今、契約するしかない。
球団は優勝とイメージ、どちらを優先するのか。またマウンドで投げる姿をみたいがここまで事が大きくなると引退するしかないのではないだろうか。今年で40歳になることもあり、早めに決断をしたほうがよい。
韓国メディアの中には時間がなんとかしてくれるという安易な見方をしているところもあるが、そう簡単にはいかないのだ。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=396&aid=0000372453