【野球伝道師の旅】すくすく成長するラオス野球。国内初チームに新監督誕生

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また新たな1歩を踏み出すラオス野球。

当ブログでは主にアジア地域で野球の普及活動やコーチなどをする元選手や監督の情報もお伝えしている。指導者に国籍は関係ない。自身は読者の方と共に同地域で野球が発展していく姿を感じていきたいと思っている。現在、日本は野球先進国と言っても過言ではないが、なぜ他国の情報を得る機会が少ないのか。そんな疑問から始まったこのブログはファンにとって3番目の存在になることを目指している。3番というのは、日本球界やメジャーリーグの情報を得た後にここを訪れるという意味だ。そのような思いを発表して本題に進もう。

現在、東南アジアでは7ヶ国がアジア野球連盟に加盟している。その内訳はミャンマー・タイ・カンボジア・マレーシア・シンガポール・インドネシア・ブルネイだ。特にタイとインドネシアの代表チームの監督は日本人が務めている。あまり大々的には報道されないが、ここでも日本人が尽力しているのだ。

近々、同地域に新たな野球連盟が誕生しようとしている。それがラオスだ。

映像:ラオス初の野球チーム「ラオJブラザーズ」を紹介するPV
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=XlnWPyUwrQw

元々、同国は野球不毛の地だった。道具もなければグラウンドもない、野球の「や」の字もなかったのだ。そんな状態から状況を一変させたのは韓国球界を代表する偉大な打者の存在だった。

彼の名はイ・マンス。韓国プロ野球開始の82年からサムソンライオンズ一筋16年プレーした伝説の捕手だ。球界初本塁打、初打点を記録したのをはじめ、84年には三冠王にも輝いている。現役時代に付けていた背番号22は永久欠番となり、球団の歴史上で同番号を付けた選手は彼、唯一人だ。

引退後は12年から3年間、SKワイバーンズの監督を務めた。退任後は知り合いからの要請でラオスに渡り、普及活動を行っている。去る1月末には現地でラオスと韓国両国による野球交流会が開催された。活動開始から約1年、ようやく1つの理想を形にすることができたのだ。結果はラオスのチーム「ラオJブラザーズ」が優勝を飾った。このチームは小学生から大学生まで計35人が所属している。

これまで連盟設立の準備やラオス政府との話し合いに奔走していたイ・マンス監督は韓国で解説者の仕事もしているために常駐することはできない。そのため、新たに韓国から専任監督が派遣されることになった。

新監督に就任するのはクォン・ヨンジン。選手時代はサンパウルレイダーズ(現在は消滅)とロッテジャイアンツに所属した。引退後はテグ高校の野球部監督とコーチを17年務めた実績がある。1月に2週間、ラオスで子供たちを指導したのが縁で今回の話が決まった。

指導した当時は13日間連続で動き続けていたという。その中で彼が感じたのは子供たちが話を熱心に聞こうとしたり、何かをやってみようという気持ちが強いことだという。日本ならばプロ野球があるため、憧れの選手のプレーを真似したりもするが、ラオスにはそれがない。そのために投打の動作など身振り手振りで教えることが大変だったと明かしている。

そんな数日の体験に心を奪われて監督になる決意をした訳だが、果たしてどのようなことをするのか。まずは根本的になぜ野球をするのかということを教えるという。このままラオスにいても選手たちはプロになることはできない。だが、このスポーツを通じて学ぶことができるものもある。礼儀をはじめ、チームプレーや協調性といった人間形成には大いに役立つ。クォン・ヨンジン監督はこれに力を注ぐという。

任期は6ヶ月の予定。これはたやすいことではないが、ラオス野球がまた新たな1歩を踏み出すことは間違いない。実はクォン監督の教え子には昨年までサムソンの5番打者として活躍し、今年からNCダイノスに移籍したパク・ソクミンがいる。彼も直接、何ができることがあれば協力すると言っているそうだ。1人1人の支援が今後のラオス発展の力になる。

今後も当ブログではこの活動にも注目していく。機会があれば現地に行って取材をする。

出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=020&aid=0002951657

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