【日台交流戦】台湾の第1戦、スタメンが発表。4番の陳金鋒に日本メディアから驚きの声

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試合は大盛り上がり間違いなしだが、メディアの無知さに興ざめ。

本日3月5日、ついに本番を迎えた。侍ジャパンの強化試合の日がやってきたのだ。前日になって嶋基宏(楽天)が負傷によって出場辞退となった。この試合の評判を聞いていると歓迎する声もあれば、意味がないと批判する声もある。確かに3月という時期は開幕に向けて大事なときではあるが、考えてみれば対戦する台湾の開幕日は日本よりも早い3月19日なのだ。それにもかかわらず、こうして来日しているのだから我々は決して言い訳をしてはいけない。それでも侍なのかと疑ってしまうほどだ。

とにかく台湾側は行動が早い。既に昨日の時点でスタメンが発表されているのだ。

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写真;台湾だけで公開されている強化試合のロゴ
(出典;CPBL中華職棒 https://m.facebook.com/heartbaseball/)

ちなみに今日のスタメンは以下の通り。

1 張正偉 右 (中信兄弟・左打)

2 王柏融 左 (Lamigo・左打)

3 林智勝 二 (中信兄弟・右打)

4 陳金鋒 DH (Lamigo・右打)

5 高國輝 中 (義大・右打)

6 林泓育 捕 (Lamigo・右打)

7 陳鏞基 三 (統一・右打)

8 余德龍 一 (義大・右打)

9 王勝偉 遊 (中信兄弟・右打)

P 王溢正 (Lamigo・左投)

1番打者の張正偉は15三塁打の台湾球界記録をもっている。指名した洪一中監督によれば「安定した打撃ができるのはもちろんのこと、出塁率が高いことに注目した」と言う。生涯出塁率は.390だそうでこれは適任だろう。

そして2番の王柏融。自身の中で1番驚いた。昨季、後期シーズンから出場し29試合で9本塁打を放ち、インパクトを残していた打者だ。今季はまだ2年目のイケイケな選手なのだ。プレミア12では恐怖の9番として上位に繋げる働きをしていたし、先日の石垣島での試合では3番として打線を牽引していた。今回、2番に入ったのはどこの打順からでも得点できるようにキーマンとなる。1番注意すべきだろう。

クリーンナップを任されたのはこの3人だ。トリプルスリーの林智勝、台湾人のメジャーリーガー、陳金鋒とシーズン39本塁打の記録を持つ高國輝。特に陳金鋒が4番に座ったことで現地でのニュースは大騒ぎ。ファンも「神」や「永遠の52」(※52は彼の背番号)といった活躍を期待するコメントが並んでいた。

こうしてみると勝負の分かれ目は6番、林泓育までの上位打線を菅野智之(巨人)がどこまで抑えることができるかだ。直球で内角をどんどん攻めていけばまずは長打がないが、横のスライダーを容易に投げてはいけない。5番の高國輝は過去の映像を見る限り、スライダー打ちを得意としている印象だった。

本番前日となった昨日はナゴヤドームで練習した台湾の選手達。その様子を日台両国のメディアが見つめていた。中にはFOXスポーツ台湾で活躍する卓君澤アナウンサーの姿があった。彼女は昨年4月に西武が「台湾デー」を実施した際に来日し、有名になった。郭俊麟の通訳もその存在に興奮していた話もある。

自身は選手の練習中に報道関係者がお互いにどのような話をするのか気になっていた。今回のような国際試合の場合は両国の注目選手を聞くようで台湾側が日本側に聞いた際に名前が挙がったのは陳金鋒と林智勝だという。

しかし、残念ながら台湾ではレジェンドの存在である陳金鋒について名前は知っているがどのような選手なのかをよく知らないメディア関係者が多いという。自身が現地で取材を受けたときの記事では「日本では陽岱鋼のような知名度がないが、陳金鋒のことをよく知っている日本人がいた」と書かれていた。

そして、今回の4番になったことについては各方面から驚きの声が挙がった。別に驚くことはないと思うが、これには台湾側は日本側を冷たい目で見たとか。長年、代表の4番として君臨してきたのだから自然の流れなのだ。

打順を発表した洪監督は侍ジャパンの小久保裕紀監督と共同記者会見に臨んだ。お互いに力を認め合いながらも静かに闘志を燃やしていたように感じる。以下は2人のコメント。

洪一中監督

「日本のパワーは台湾と比べてとても良い。我々も勝つ気持ちでいるのはもちろん、選手達には来年のWBCのために侍ジャパンのプレーを見て学んでほしい」

小久保裕紀監督

「日台両国の選手の特性は違う。台湾も野球の水準がとても高い。選手達は貴重な経験ができるだろう」

侍ジャパンにとってはWBCに向けた「強化試合」である一方で台湾では「交流試合」の位置付けだ。両国で試合に対する意識が違うのは気になるところではあるが、そこはあまり気にせず試合開始を待とうと思っている。

自身はこれから決戦の地に移動する。今日からの2日間は現地レポートになる。

出典元
http://sports.ettoday.net/news/65753

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