すべてを制限された台湾のファンたち。
昨日行われた侍ジャパンの強化試合は5対0で日本が勝利した。台湾はわずかに2安打とまったくいいところを見せることができなかった。光ったのは王勝偉(中信兄弟)の二塁打くらいだろうか。
会場となったナゴヤドームは山本昌の引退試合効果もあって全席完売となった。しかし実際に中に入ると空席が目立つ。3階席はガラガラで自身が座っていた一塁側もちらほら空いていた。急に行けなくなった場合は仕方がないが、なぜこのような事態に陥るのだろうか。もし、昼の試合がなければ人が入っていたかどうかも疑問だ。
台湾のファンは航空会社のチャイナエアラインの協力もあり今回の来日が実現している。球場に到着すると集合写真を撮っていた。
「台湾 がんばれ!」と叫び、盛り上がりをみせる面々。この様子は「CPBL 中華職棒」のFacebookページに掲載されているはずだ。
石垣島と同様に台湾メディアも来日し、中継やインタビューを行っていた。ツアーで来日しているファンに密着しているのだ。その中にはFOXスポーツ台湾の卓君澤アナウンサーの姿もあった。自身は彼女を見つけるため、球場周りを歩いていた。意外とすぐに見つかるものである。
驚いたことに今回のために製作された「チャイニーズ・タイペイ」のユニフォームを着ているファンをほぼ見かけることはなかった。よく見たのは4番を打った陳金鋒(Lamigo)だった。
そのほかはLamigoか中信兄弟、そして「CT」のマークがついた代表のものが主だった。なぜ、新しいものを着ないのか。下の写真が関係しているのではないか。
この話は明日、じっくり書きたいと思う。
試合中、台湾側の専用応援席は三塁側の一角に限られた。普段はあまり使うことがないであろうスティックを使っての応援となった。
本来ならば、チアリーダーがおり、音楽を盛大に使っての派手な応援のはず。当日は周りをリードする応援団長はいたものの、その他はすべて制限されてしまった。見ていて寂しすぎるの一言しかない。確かにドームの構造上、難しいものは多々あったがせめて音量を小さくして音楽は使用してもよかったのではないだろうか。静かに声援を送るのがナゴヤドームのルールなのかもしれない。日本で開催されているため、自然とそうなってしまうが完全のアウェイ状態だった。
選手達も試合前には「日本から色々と学びたい」と発言していたようだが、あまり闘争心は見られなかった。現地記者の話だと日本が相手のときは1歩引いてしまうのだという。そのようなことをしなくてもよいのでドンドン攻めてほしい。
完全に試合も運営も日本側が主導だ。来年のWBCで共に戦うであろう、台湾を目の前にして「世界一」宣言しても気持ちは複雑だ。せっかくの国際試合なのだから相手にも華をもたせてほしかった。例えば、グラウンドでチアリーダーが踊ったり、選手の応援歌を紹介したりやれることはあったはずだ。
今、第2戦が行われる大阪に向かっている。昨日も何人かの台湾のファンに話を聞いた。生の声を読者の方にもお届けできればと思う。