市場拡大を狙う長期戦略。
昨年末、当ブログでは2016年からは中国球界情報も発信すると書いた。すでに2ヶ月が経ってしまったものの、やっと話題が見つかった。
映像:広州アジア選手権で日本と対戦する中国チーム
(出典:You tube: https://www.youtube.com/watch?v=aBoC1L5vuW0)
韓国野球委員会(KBO)が中国野球発展のために尽力すると発表した。既に関係者が現地に渡り、プロリーグを運営している中国棒球協会(CBAA)と業務提携を結んでいる。その内容は韓国が元プロ選手を派遣して中国国内の有望な人材を育成をするというものだ。また、韓国リーグ期間中にはコーチを招待して試合や球団内の見学、審判研修などを行い、指導者養成にも努める予定だ。
なぜ韓国が中国と関係があるのか。それは北京で行われた国際観光博覧会でKBOがブースを出展し、野球をPRしたことが始まりだ。現地では02年からプロリーグが存在しているものの、経済難など多々の理由により何度か休止に追い込まれたこともあった。現在は復活しているが、8球団で3ヶ月ほどの小規模なリーグ戦が行われている。
過去、日本ではソフトバンクグループやミズノが中国を支援したことがある。しかし収益の見込みがなく撤退した。球団別では中日は選手として在籍していた呂建剛がパイプ役として活躍していたが、特に目立った活動はなかった。横浜は11年まで天津ライオンズと業務提携を結んでいた関係でOBの鈴木尚典らが指導していたことがある。
これらを最後に日本において中国野球に関する情報を得ることは困難になった。表舞台に登場するのはWBCをはじめ、国際大会で対戦するときくらいだ。
今回の韓国との業務提携の話に戻る。KBO総裁自ら出馬して中国の野球人口の拡大を誓った。既にMLBがアカデミーをつくり、1人のマイナーリーガーを誕生させた実績がある。表向きは協力してできたら・・・と思っているようでも裏では対抗意識を燃やしているだろう。
さっそく中国が韓国色に染まろとしている。プロチームの広東レオパーズが総監督にカン・ジョンギル氏の就任を発表したのだ。彼は左打ちの一塁手として85年ドラフト1位でサムソンライオンズに入団。1軍出場がないまま、翌年にトレードでピングレイーグルス(現ハンファ)に移籍した。通算210勝を誇るソン・ジンウと韓国球界初のシーズン40本塁打を達成したチャン・ジョンフンとともに15年の間、チームを支えた。引退後は球団に残り、コーチを歴任。退団後は高校野球の監督も務め、指導者としてのキャリアを積んでいたところでのお呼びとなった。
契約期間は17年10月まで。主に球団管理や試合運営、采配をするらしい。ほぼ球団を丸ごと託されたようなもの。中国にはスポーツの国体があるようでそこには野球もある。優勝するために招かれた特命監督なのだ。
中国の情報が出てきたことでこちらとしてもやっと当ブログで紹介ができる。アジア球界全体が盛り上がるのならばどこの国が支援しても構わないと考えている。今は賭博問題が再燃しているため、暇はないだろうがNPBも重点的にどこかの国の競技底上げに協力すればよいのではないか。
実力的にも技術的にも日本はアジアのトップクラスだ。長年培ったものを他国のために使わなければもったいない。昨年は世界的な野球の普及を目標に掲げていたお偉いさん方々だったが、今やそのことも忘れているに違いない。
出典元
http://m.incheonilbo.com/?mod=news&act=articleView&idxno=697367