【あの人はいま】元オリックスのマエストリは韓国へ。多言語話者の新たな挑戦

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新天地でまた武器を増やす可能性あり。

オリックス・バファローズに所属していたアレッサンドロ・マエストリが韓国・ハンファイーグルスに入団した。当初、群馬ダイヤモンドペガサスでプレーすることが決まっていたが、 試合に出場することなく退団していた。

 

映像:15年4月15日の西武戦で好リリーフをみせたマエストリ
(出典:You tube https://www.youtube.com/?v=qBRPFgPuhTs)

マエストリは昨年までの4年間で11勝14敗 2ホールド 1セーブ 防御率3.44の成績を残した。先発、中継ぎとあらゆる場面で登板し、首脳陣からの信頼も厚かった印象だ。リリーフ陣で何かあれば登場する。まるでスーパーマンのような存在のようにも思えた。

この選手の名前を聞いてすぐに思い出すのはイタリア出身であることだ。日本球界の長い歴史の中で唯一無二だ。プレミア12でも母国代表としてエース級の活躍をしていた。

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写真:プレミア12のプエルトリコ戦で投げるマエストリ

今回、入団したハンファは先日までデュアンテ・ヒース(元広島)の入団テストを行っていた。練習試合で2回先発し、好成績を残したものの、球団側は不合格にした。言い方は本人に失礼だが、いわば代わりなのだ。ヒースの存在からチームは日本を経験した助っ人先発投手の獲得を目指していた。そこで白羽の矢が立ったのはマエストリだった。

去る15日に入団が発表され、そのわずか2日後にはSKワイバーンズとのオープン戦に出場していたのだ。この日は中継ぎとして7回から登板した。結果は2イニングを投げて被安打6 奪三振4 失点6というホロ苦デビューとなった。数字だけみると今後を心配してしまうが、現地での評価は悪くはない。

最速150キロの直球とフォークボールを中心に相手打者から数多くの空振りを奪っていたという。一部のメディアでは彼のことを澤村拓一(巨人)や西野勇士(千葉ロッテ)ら抑え投手 のようだと賞賛しているところもあった。7回には先頭打者に中安を打たれるも後続を3者連続三振に抑え、圧巻の投球をみせた。次の回は味方の失策で崩れたが、まだまだ調整段階だろう。

外国人選手の評価には厳しいキム・ソングン監督も「初登板だから緊張したのだろう」と淡々としていた。そんな中でも球が低めに決まればより良い投球ができると今後に期待していた。次は先発させるという。

マエストリは韓国でも試合外で注目が集まっている。それは多言語話者であることだ。彼は母国語のイタリア語はもちろんのこと、英語やスペイン語、日本語も話すことができる。マイナーリーグ時代に英語とスペイン語を習得、日本ではシーズンの合間をぬって学校に通っていたというのだ。ちなみに好きな言葉は「一生懸命」だという。なぜこの言葉なのか。10年に台湾で新調したグラブに書かれていたそうだ。当時は全く意味を知らなったようだが、日本語を学んだおかげもあり理解ができて好きになった。

現在は4ヶ国後を駆使する強者として世界中のリーグを飛び回っている。新天地では韓国語を学ぼうと意欲的だ。日本と同じように学校に通う気持ちでいる。もし、話せるようになれば武器にもなるし、ファンとも直接交流することも可能だ。リック・バンデンハーク(ソフトバンク)は以前、サムソンライオンズに所属した経験があり、言語も学んだ。日本に行く際にはファンミーティングを開催したこともある。

投手としてだけではなく、出身地でも一目置かれている貴重な存在だ。もちろん韓国でも「史上初」となるイタリア人選手なのだ。まずは無事に現地で開幕日の4月1日を迎えてほしい。

出典元:
http://osen.mt.co.kr/article/G1110376124

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