【アジアの旅】カンボジア野球の父、ジョー・クックさんにインタビュー。日本の支援に感謝

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日本のプレーはカンボジアの鏡。

昨日からカンボジア野球について紹介している。自身は連盟の会長を務めるジョー・クックさんから国の野球の歴史や今後のビジョンなどを聞いた。今回は第2弾として日本に対する印象などを紹介する。

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写真:カンボジア野球連盟会長のジョー・クックさん

 今回はインタビュー形式でお届けする。

―今回はありがとうございます。さっそくですが、日本野球に対してどのような印象をお持ちですか?

ジョー・クック(以下、クック) :「私は 日本のプレースタイルが好きです。彼らは我々が驚くようなプレーをします。また、試合も興奮するような展開も多いです。選手たちの打撃はもちろん、投球もよいですね。毎試合、緊張感や情熱を持ってプレーしているように感じます」

―とても好印象ですね。

クック:「そうですね。私はすでにカンボジアの子供たちに野球を教えていますが、ぜひ日本のプレースタイルを伝えたいと思っています」

―日本の野球ファンについてはいかがですか? 

クック:「もちろん、ファンも大好きです。彼らはチームに対してとても力強い応援をします。時には球団の枠を超えて全員で声援を送っていますね。ぜひ、カンボジアでも同様に応援してくれる人が増えたら嬉しいです」

― 日本のファンに伝えたいことはありますか?

クック:「カンボジアでは02年から野球がありますが、成長するのはこれからです。みなさんにはカンボジアに野球があることや歩んできた苦難の道を知ってほしいと思っています」

―私たちはカンボジアのスポーツといえば、サッカーを思いつきますが、現地で野球が誕生するきっかけはどうだったのですか?

クック:「私は内戦の影響でアメリカに移住した経験があります。当時は日本式のステーキハウスや寿司バーで働いていました。その時に住んでいた家の近くでたまたまた試合を観たのがきっかけで野球が好きになりました。帰国後、アメリカから持ち込んだグラブやバットを現地の子供たちにプレゼントし、教えたことが事の始まりです。その時、自分が好きなもので彼らを笑顔にできる喜びを知ったのです」

―道具といえば日本の球団が支援をしたと聞きましたが本当ですか?

クック:「本当です。今年の1月24日に埼玉西武ライオンズの関係者がいらして、道具の支援はもちろん、私たちにコーチ研修もしてくれました。とてもありがたいことです。カンボジアと日本は強い絆で結ばれています」

 ―そのことを聞いて私も嬉しいです。先ほど苦難の道を歩んできたと仰っていましたが、その意味は?

クック:「野球をするにはグラブやバットなど数多くの道具が必要です。私がアメリカから持ってきたものもありましたが、数が足りません。また、お金もないため、政府に資金援助のお願いしたところ断られました。やめたらどうかとも言われたこともあります。そこで、これまでの人脈やポケットマネーを使ってでもカンボジア野球を継続させてきました。本当に何もないところから始まったのです」

―クックさんご自身はその後の成果はありましたか?

クック:「ありました。首都のプノンペンから西へ109キロ離れたバリオに球場を作ったり、代表チームを設立しました。彼らが一生懸命、プレーしてくれたおかげでベトナムやマレーシアとの試合で勝つことができました。その結果、政府が新しい球場をつくる土地を提供してくれたのです」

 ―それは大きな転機ですね。おめでとうございます。連盟やクックさん自身の夢はなんでしょうか?

クック:「ありがとうございます。連盟としては選手達が日本と同じように情熱をもってプレーをし、他国の巨大なリーグで活躍してくれることです。個人的にはカンボジア野球が私が亡くなった後でも継続し、新しい世代が盛り上げてくれる ことが夢です」

―私もカンボジア野球の発展を楽しみにしています。

クック:「とても嬉しいです。実は今、6月頃をめどにマレーシアのチームを招いて親善試合を計画しています。ぜひ、日本メディアの方にも来てほしいと思います」

 ―今回はありがとうございました。また情報交換をしましょう。

クックさんによるとカンボジア野球のレベルは侍ジャパンのU12に相当するという。まだまだ発展途上ではあるものの、球場も完成しており確実に成長している。だが、政府の援助があまりなくほぼボランティアで子どもたちを指導しているそうだ。練習環境を整えればより強くなれるのではないかと思っている。

今後も当ブログではアジア野球専門としてカンボジアについても取り上げ、発展を応援する。 

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写真:カンボジア代表チームの選手たち

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写真:1月24日に西武関係者が現地を訪れたときの様子

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写真:カンボジア野球連盟のロゴ
 

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