投手陣再建を託された侍。
昨年限りで現役を引退し、海外へコーチ修行の旅に出ている西口文也。2月は韓国・ハンファイーグルス、3月からは台湾・統一ライオンズの臨時コーチを務めている。

写真:統一ライオンズで臨時コーチを務める西口文也
(出典:たかしーのブログ http://www.takashinoblog.com/entry/2015/09/19/155307)
指揮を執る郭泰源監督からの依頼で主に投手陣を指導している西口。本来ならば4月で帰国する予定だったが、5月23日まで台湾に滞在することになった。なぜなら球団から「もう少しの間、投手を見てほしい」と要望があったからだ。
シーズンが開幕してから2週間が経過した今、統一の投手陣は既に崩壊状態にある。チーム防御率7.15をはじめ、失点73や与四死球39と全球団中でダントツの最下位だ。
今年は中信兄弟の呉復連監督も極端な「打高投低」状態を心配しているのが現状。打率トップは林智勝の. 581だ。日本はまだ開幕して1週間しか経っていないが、5割越えの日本人打者は誰一人としていないのだ。これは異常とも言える。
今までこのような球界を経験してこなかったであろう西口は約1ヶ月間、台湾に滞在して次のように感じている。
「確かに今の台湾球界は打者が有利だ。だからこそ投手陣の強化が必要だ。投手はただ投げるのではなく、打者を抑えることが仕事。ストライクをとれるようになれば個々の能力の水準も高くなる」
制球が悪いというのは郭泰源監督自身も話していたことだ。台湾人投手の特徴として力勝負を好み、細かい制球力がない。また、決め球と遊び球の区別がないため連打される。
昨年の統一は最下位に沈んだ。数字だけを見ると打撃陣の不調が原因と考えるが、そもそも試合をつくれない投手に問題がある。球団上層部は再建のために郭泰源を監督に昇格させた経緯がある。
日本の投球術を浸透させようと先輩から呼ばれた西口はチームの投手を見て分析をしている。
「自信がない若い選手が多い。自身が球団の貴重な戦力であることを自覚することで自信を持つことができる」
現役時代、通算182勝を挙げた右腕も同じ経験をしたのだろう。彼は投球だけではなく、精神面での指導もすることになる。
5月まで滞在が延長され、この1ヶ月の間で西口は統一の投手陣に何を教えるのか。選手達は学びを成績に反映できるのか注目したい。
西口が帰国するまでにせめてチーム防御率を6点台前半までに改善されてほしいところだ。
出典元:
http://sports.ltn.com.tw/news/breakingnews/1652604