今後の展開を見守る古巣。
いよいよメジャーリーグも開幕の日がやってきた。今年もアジア圏からの挑戦者が海を渡った。日本人は前田健太(ドジャース)が、韓国人は50発男のパク・ビョンホ(ツインズ)をはじめ、イ・デホ(マリナーズ)、オ・スンファン(カージナルス)らも大舞台に挑戦する。
その一方で今後を心配されている者もいる。昨年のプレミア12で大会MVPに輝き、今季からFAでオリオールズに移籍したキム・ヒョンスだ。
昨年は28本塁打を放ち、長打を打てる外野手として入団したキム。しかし、オープン戦では打率.178と不振で球団からマイナー行きを通告されていた。これに本人は拒否して意地でもメジャーに残ろうとしている。どうやら契約の項目をタテにしているようだ。アメリカのメディアは「マイナーで経験を積んでから昇格するべき」と報じているそうで、自身も納得するところだ。
このような状況に困惑している球団上層部。進展しないのなら戦力外もありうる。冷やかな状態の中でキム・ヒョンス自身は韓国球団からオファーが届いていると発言した。実際、どこからその話がきているのか、韓国現地記事を調べてみた。
1番に候補の挙がるのは古巣であるトゥサンベアーズだ。14年ぶりの韓国一となったチームは彼が抜けた穴をどう埋めるべきか悩みどころだった。 本当にオファーを出しているのなら球団としてもファンとしても嬉しい限りではあるが、実際のところそのような情報はない。あくまでも現時点では今後の動向を静観するという。
韓国では4月1日にシーズンが開幕したばかり。各球団が補強に乗り出すのはまだ早い。いくら得点が期待できる打者とはいえ、ほぼ戦力が固まっている状態で受け入れるのは難しいだろう。元々、韓国野球委員会(KBO)やトゥサン側としてはキムの意志を尊重して送り出したのだからすぐに帰って来られても困るというものだ。
こうして韓国の現地記事を見ているうちにオリオールズの開幕ロースター枠に彼の名前が入っていることが判明した。ひとまず数試合に出場させてみて力を発揮できるかテストをするのだろう。もし、ダメであれば放出する考えなのかもしれない。球団としても2年700万ドルを無駄にしたくはない。
メジャーリーガーとして迎えることが決まっても彼の立場は変わらないままだ。長期間、ごねるのなら登録してしまったほうがよい。既にオープン戦での結果からお互いの関係が悪くなっているという話もある。これからも厳しい戦いが続くのだ。
マイナー行きを拒否している以上、不振ならば退団だ。このような選手をメジャーの他球団が獲得に乗り出す可能性は低い。ならば帰国するしかなくなる。帰るにしても手を挙げているところはないが、古巣が1番なのではないだろうか。本人はあくまで韓国球団は保障として考えていると思う。いくら選択肢があるとはいえ、このままで戻ってくる訳にはいかない。よい経験にはなるものの、キャリアの汚点となってしまう。そんな恥ずかしいことはしたくないに違いない。ここからがキム・ヒョンスの野球人生をかけた本当のサバイバルが始まる。
出典元:
http://www.newsis.com/ar_detail/view.html?ar_id=NISX20160404_0013998884&cID=10501&pID=10500