募る、台湾球界復帰の夢。
今年から徳島インディゴソックスに入団した台湾球界の記録保持者である張泰山。統一ライオンズ時代の恩師、中島輝士監督のもとで日々、奮闘している。試合では主に5番・指名打者として打棒を振るい、昨日行われたNTT西日本戦では来日初となる本塁打を放った。
映像:来日初本塁打を放つ張泰山
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=tzRvpvDlh1Q)
徳島は4月3日に行われるはずだった開幕戦が雨天中止により4月20日に順延された。日が開いてしまうため、現在は日本野球連盟主催の「JABA四国大会」に参加している。前記のNTT西日本をはじめ、EX-ENEOSなど社会人チームの強豪が揃っている。8日の試合では14失点で完敗したが、11日に行われた「ツネイシ」戦では勝利を収めた。
今回の大会は試合開始時間が早く、午前9時から始まるという。張泰山はこの場合、6時に起床して本番に向けて少しずつ体を目覚めさせていく。どうやら本人いわく、起きた直後の調子は試合で言えば5回の攻防のようだ。この意味は選手経験者ではなければわからない。一体、どういうことなのか。台湾プロ野球の試合は大体の場合、17時35分から始まる。開始時間に差があり過ぎるため、調整が難しいのではないかと勝手に心配していまうが、そのようなことは不要だ。なぜなら彼は「高校時代でも同様なことがあった」と楽天的だからだ。
張泰山といえば、台湾球界草創期から長年活躍してきた選手だ。今年は27年目を迎えるプロ野球。その舞台で20年の間、プロの飯を食べている。数多くの経験を生かして徳島球団からは打撃コーチの役割も任されている。よく若い選手に手取り足取り教えているそうだ。テレビ出演も忙しそうではあるものの、選手達との交流も順調だ。
これまでの報道を見る限りでは充実した日々を送っているように感じる。それでもただ、彼は徳島で活躍することだけを目的にはしていない。狙う台湾球界復帰だ。昨年まで所属していた統一からはコーチ就任の要請を受けたものの、現役にこだわったことで来日することになった。「新たな挑戦」といえば聞こえはよいが、実際は戦力外通告をされている。つまり、現時点では張泰山を戦力として考えている球団はないということだ。だからこそ、日本という異国の地でアピールしなければならない。
今後の展望としては台湾に新球団が誕生した際には入団してそこで現役を終える予定だという。現地では以前から球団増加を求める声が高まっている。実際に社会人(独立)の強豪、崇越ファルコンズをはじめとする企業チームがプロ野球界参入に名乗りをあげている。まだ正式に決まった訳ではないが、早くて3年以内には5球団目が誕生することになっている。
復帰をしたいのならば最低でもあと11本に迫っている通算300号本塁打の達成が必須となるだろう。既に39歳 と全盛期を過ぎてはいる。しかし、まだ自慢の長打力は衰えていない。新球団に入るという希望はあるものの、決して既存のチームには入らないということではない。
仕切り直しの開幕まであと数日。台湾のレジェンド打者はどのような活躍を見せてくれるのだろうか。とても楽しみだ。
出典元:
http://www.appledaily.com.tw/appledaily/article/sports/20160411/37156855/