日本人退団の爪痕はチームに根強く残る。
17日に韓国・ハンファイーグルスが急に発表した小林誠二コーチの退団は2日経った今でも影響が残っている。球団は世間からチーム運営の仕方について厳しい目が向けられているのだ。これを受けて新たな人事異動が決まった。どうやら球団運営のトップと選手育成のトップの席が入れ替わったようだ。こちらとしては彼らの肩書きを変えただけで何か変わるのか疑問にしか思えない。
映像:ハンファの指揮を執るキム・ソングン監督
(出典:Youtube https://www.youtube.com/watch?v=EseeVpe_2yY)
事の発端となった小林コーチは今季から1軍投手コーチとして指導にあたっていたが、監督と選手の起用法で衝突して開幕からわずか13日目で2軍へ配置転換させられていた。しかし、本人がこれを拒否したことでそのまま退団してしまったのだ。前日までの現地報道では小林が越権行為の連続で和を乱した張本人と言わんばかりの内容だった。実際のところ、真実は明かされていないため何とも言えないのが現状だ。逆に今回の退団で球団内外部からキム・ソングン監督が非難されている。
なぜ監督にだけ集中しているのか。原因として2勝11敗と最下位に沈んでいることもあるが、1番は自分勝手な行動が多いことだ。 それぞれのコーチに役割を与えているのにもかかわらず、投手も野手もすべて自分自身で指導してしまうことがある。彼らの仕事を横取りしてしまうのだ。また、選手達に球団内で起こっている球団内部のことを詳しく説明せず、自ら背を向けて何も言おうとはしない。ちょうど今がその時だというのに練習をさせて忘れさせるというのだ。
昨年は最下位が続いていたチームを6位まで引き上げて実績を残したものの、シーズン中盤以降は監督の様子が変わっていったそうだ。記者に対して選手起用の意図など詳細を言わなくなり、意思疎通をしなくなったという。どうやら説明しても間違った報道をされると困るため、口をつむぐようになったようだ。これには記者陣が激怒した話もある。これで少しずつキム監督は周りから孤立していく。
ファンも最近は苛立っている。シーズン前はFAで他球団から投手を獲得し、現役メジャーリーガーのウィリン・ロザリオを補強したことで優勝に向けて期待が高まっていた。だが、フタを開ければこの有り様だ。勝てば喜び「野球の神」と監督を讃えるが、負けると手のひらを返したように非難するのだ。どこの国でもファン心理は同じなのだ。
キム・ソングン監督は韓国プロ野球が発足した82年から多くのチームで監督やコーチを歴任してきた。74歳になった今でも現場で活躍しているが、最近は選手とも距離を置いている姿が目立つ。このままではチームがさらに悪い方向に進んでしまう可能性が高い。小林コーチが残した無言のメッセージは今後の監督の行動を変えるかもしれない。
チームが変わりたければまずはトップの監督の態度を変えるべき。現地メディアは「選手とお酒を飲むお父さんのような存在になればよい」と言っている。本当に飲むかどうかは別としてそれほどお互いの距離を縮めなければならないということだ。
出典元:
http://sports.news.naver.com/kbaseball/news/read.nhn?oid=468&aid=0000138409