【歴代選手】台湾で開幕から21試合連続安打の記録を持つ鄭幸生の存在

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記録が続けば名選手の名前が登場。

昨日19日に行われた台湾球界の試合、中信兄弟 対 統一ライオンズではお互いに2桁得点と相変わらずの乱打戦が展開された。また、日が経つごとに林智勝の連続出塁記録の数字が伸びていく。先日はイチローを越えたことをお伝えしたが、今では「79」までになっている。

開幕してからちょうど1ヶ月。チーム単位としては中信兄弟の11試合で100得点という恐ろしい記録もできた。個人では林智勝だけがこうして台湾プロ野球の歴史を塗り替えている訳ではない。3人の選手が開幕から17試合連続安打をしている。彼らの名は蔣智賢と張志豪(ともに中信兄弟)、そして林泓育(Lamigo)だ。

この「開幕から17試合連続安打」はまだ新記録ではない。調べてみると最高は「21試合」だそうだ。この数字は台湾プロ野球元年の90年に生まれた。今回は台湾の昔の選手について書いてみる。

記録を持っているのは鄭幸生という人物で90年からわずか5年間しか現役生活を送っていないが、球界草創期を代表する内野手の1人だった。

映像:開幕から21試合連続安打を記録した鄭幸生
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=7UcXn-uMtHY) 

鄭幸生は台湾にプロ野球ができる前から活躍していた選手で中信兄弟の母体となった「兄弟飯店棒球隊」の一員だった。本職は二塁だが、遊撃や三塁も守ることができる器用さを持っていた。どちらかといえば守備の人だろう。プロ野球が誕生すると三商タイガース(現在は消滅)の中心選手となった。プロ5年間の通算成績は打率.269 本塁打9 打点82だった。

短いプロ生活だったが、初年度から輝いていた。前記の開幕から21試合連続安打をはじめ、台湾人初となる月間MVPを獲得 したのだ。スタートの年だけあって運営側も手探り状態だったようだが、72試合の出場でも打率.309と結果を残している。
 

その後は92年に負った左手骨折の影響で選手を続けることが困難になり94年限りで引退している。それでも野球からは離れることはなく、若かりし頃の張泰山が所属していた味全ドラゴンズや渡辺久信や石井丈裕らが関わった「台湾メジャーリーグ」のチームのコーチなどを歴任した。最近までは高校野球の監督を務めていたのだとか。

退任した現在は解説者の仕事をしているそうでちょうど19日の試合を見ていた。その際に自分の記録が話題になると一言、本人は次のように言った。

「記録は破られるためにある。ぜひ、目前に迫っている3人には期待したい。連続記録を続けていると必ず調子が悪い日がある。そんな時こそ選球眼が大事だ」

「経験者は語る」なのか彼の言葉には説得力がある。どのようなことでも記録がかかると必ず、過去の偉人が登場する。時を同じくして日本では柳田悠岐(ソフトバンク)が王貞治が持っていた開幕から18試合連続四球の記録に並んだのだ。それぞれの球界でレジェンドの存在である2人はきっと同じ気持ちなのではないだろうか。

繰り返すが、記録は破られるためにある。時がいくら経とうともこれまでの数字を持っていた人は自然と名前が挙がる。たとえその内容が派手でも、ましてや地味でも「記録」というものは昔と今をつなぐ橋渡しの役割を担っているのだろう。

出典元:
http://sports.ltn.com.tw/news/breakingnews/1669723

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