記録は何のためにあるのか。
野球だけに限らず、どんなスポーツにも歴代の選手達 が残してきた記録がある。ここは野球のブログのため、焦点を絞ると金田正一の400勝をはじめ、岩瀬仁紀の402セーブ、王貞治の868本塁打など数えきれないほどその数は多い。
記録がかかると本人はもちろん、ファンや記者からの期待も高まる。だが、その一方で残念なことも起きてしまう。特に野手の場合であと1本など達成目前に差し掛かると相手チームは対戦を避けてしまう。記憶に新しいのは13年、バレンティンが55本塁打を打った後の日々だ。過去、タフィー・ローズも同様のことをされた。
本塁打ではないものの、似たようなことが台湾でも起こったのだ。24日に行われた中信兄弟 対 義大ライノスの試合で球場はファンの大ブーイングに包まれたという。中信兄弟の蔣智賢は開幕から21試合連続安打のリーグ記録更新まであと「1」と迫っていた。
映像:四球で勝負を避けられる蔣智賢
(出典:You tube https://www.youtube.com/watch?v=Chrn5l0tR4s)
独立リーグファンの方なら彼の名前を覚えているかもしれない。蔣智賢は昨年6月まで高知ファイティングドッグスに所属していた内野手なのだ。台湾のドラフト会議で球団からドラフト1位指名を受けたことで退団している経緯がある。今年は母国に戻って2年目のシーズンを迎えていた。
そんな彼は開幕から21試合連続安打を記録していた。最高記録は鄭幸生という90年のプロ野球開始から5年間だけ活躍した内野手が持っている「21」で今回は新記録に挑もうとしていた。。チームメイトの林智勝の連続出塁記録が「80試合」を越えた今、ファンはさらにに期待を寄せていた。だが、それも相手の作戦によって夢と散ることになる。
この日、5番・三塁手として出場したが、打撃成績は四球3と敬遠1だった。試合は4対3と勝利したものの、後味が悪い終わり方となったようだ。まだ2四球と敬遠に目をつぶったとしても9回2死で回ってきた最後の打席はひどいものだ。当時は3対3の同点でたとえ安打を打たれても後を抑えればよい話だった。それが記録を気にしてバッテリーは勝負を避けたのだ。
バッターボックスに立っていた蔣智賢は試合後、次のように話している。
「敬遠も四球も相手の作戦だから仕方がない。でも、 鄭幸生さんの記録を破りたかった」
それでも試合後には最初に開幕から21試合連続安打を打った鄭幸生が登場し、本人に花束を贈ったのだ。日本でもタイ記録のときに花束がプレゼントされる光景をよく見るが、保持者本人が直々に渡すのは珍しい。
これで平穏に終わったと思われたが、Facebook上のファンからのコメントは賛否両論だ。今年は記録が数多く誕生していることから祝福する内容はもちろんのこと球界のレベルを低さや相手バッテリーへの批判もあったりする。それだけ最後の四球は不可解だったようだ。
果たして、 今回の騒動は1日で収まるのだろうか。対戦して義大の球団事務所の電話が鳴り響かないことを願う。今回は記録を破ることはできなかったが、また来年以降も機会がある。そのときに再度、挑戦すればよい。
それでも作戦とはいえ、裏で賭博のようなことをやっていないか心配になる。これがとりこし苦労になればそれでよい。
出典元:
http://sports.ettoday.net/news/686409