【野球伝道師の旅】山田久志と山崎裕之がインドネシアで野球教室

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裏で活躍するOB選手たち。

去る26日、NPBはプロアマを統括する「日本野球協議会」の発足を発表した。侍ジャパンの強化だけではなく、競技の普及やマーケティングなど細かく部門分けをして将来的な強化を図るという。自身は発表された中で1番気になるのは「国際」の部分だ。

まだ詳細は発表されていないため想像するしかないが、おそらく他国との情報交換をはじめ、他国との交流や普及を目指しているのかもしれない。日本と交流が盛んな国々といえばアメリカをはじめ、キューバや台湾、韓国が挙げられるだろう。裏では交流試合の開催に向けた調整などを行っているのかもしれないが、基本的には日本とメジャーの話題ばかりでなかなかその他の国の情報は入ってくることはない。昨年は熊崎勝彦コミッショナーが台湾プロ野球を視察したことがあった。果たしてこの事実を何人が知っているのだろう。

また、名球会もアジア地域で野球教室を開催している。3月には東尾修と立浪和義がシンガポールに行っていた。そして5月に山田久志と山崎裕之がインドネシアを訪問する。

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写真:インドネシアで開催される野球教室のお知らせ

開催場所は 首都のバリ。なんと誰でも無料で参加できるという。現地にはもちろん野球は存在しており、代表チームは日本人の野中寿人監督が務めている。ご本人が書いているコラムは侍ジャパンのホームページ内で読むことができる。09年のアジアカップで優勝、11年の東南アジア競技会と15年のアジアカップではそれぞれ準優勝と順調に結果を残しているが、国全体のレベルとしてはまだまだ発展途上といえる。

名球会メンバーが過去に行った同活動の軌跡をみてみると現地の子供たちにプレーの技術を教えることはもちろんのこと指導者のレベルアップ、道具の寄付をしているようだ。自身は3月からアジア諸国の野球関係者に連絡をしている。3月の野球教室に参加したシンガポール球界の関係者は「名球会の方々が来てくれたおかげで我が国の野球の技術向上が望める」と喜んでいた。

しかし、各メディアは名球会メンバーが海外に赴いているという情報を報道することはない。もちろん「名球会」のホームページでは簡単に日程が紹介されているものの、そこでしか確認ができないのだ。なぜ、日本球界を支えたOB陣のその後の活動を追わないのか。

今回、新たに誕生した「日本野球協議会」にある普及部分は日本の少年少女、子どもに対しての活動になると思う。ならばこの彼らの活動はどこに付随するのだろうか。アジア地域で野球教室を行うことは国際交流基金アジアセンターからの助成金を受けているという。別組織になるのかもしれないが、ぜひ、普及や国際の部門の関係者とも協力して動いてほしい。

名球会メンバーが指導した現地の選手がいつか日本の独立リーグやプロに行って活躍することを考えれば楽しみの1つともいえるだろう。近年、来日する助っ人選手の国籍も多様化している。インドネシアやシンガポール出身者がいても決しておかしくない。

何年かかるかはわからないが、こうして他国への「種まき」こそ日本球界の役割だ。

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